オマケ1 『宰相』視点
オマケの1話目は『宰相』です!
次は12時頃!お楽しみに〜!
「『宰相』さ〜〜〜ん!」
ダダダーッと赤いドラゴン、ドラがこちらに向かって走って来た。
「どうしたの?何かあった?」
ドラは基本的に下級魔族と一緒に居るので、わざわざこちらに足を運んでまで何か伝えたい事があったのだろう。
「『宰相』さん!嬉しい事があったの!」
「うん」
言葉からして、どうでも良い話…?
「オイラ達の王様の気配がしたんだよ!!」
「え!?」
耳を疑う言葉だった。
森に落ちてた死にかけのリシアを助けたら、いつの間にか王様になって、それから100年単位で生まれてくる瞳に『六芒星』を秘めた我等の王様。
たまに悲しそうな顔をする優しいリシア様が亡くなってから、ぴったり1000年。未だに悲しみの海に沈んでいるのはわたしくらいだろう。
そんな、長い長い年月の中で叶う事の無い願いが、頭の中でグルグルと回っている。
【もしかしたら、覚えているかもしれない。わたしの事を、あの楽しい日々の事を】
(馬鹿馬鹿しい。期待するだけ無駄だと、分かってる。分かってるわ…)
「攫ってくるわ。気付かれずに実行するから、幻影で周りが襲われている様にしよっと」
クルリと踵を返す。
「え〜!オイラ、行きたい!み〜んな行きたいって言ってるよ!」
「駄目。もしも、リシアの大事な貴方達が死んだら悲しいもの」
キッパリと断言する。
「行きたい〜!行きたい!行きたい!!」
ドラはドンドンと足を踏み鳴らす。
(何を言っても無駄ね…)
「はぁ…勝手にしなさい」
「やったー!」
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