35 逃げろ
「領民を逃がせ!!オレは母さんの所へ向かう!そちらは任せたぞ!」
グレイさんは指示を出した後、外へと走り出した。
「「「はっ!」」」
直ぐ様、駆け足で皆出て行ってしまった。
護衛は護衛の仕事をさせず、衛兵の様に戦わせるらしいが…
(護衛なしで大丈夫なのかな?グレイさん…)
僕もグレイさんの後を追うべく、外に出る。
「ギャオオオンッ!!!」
「怯むな!戦え!!」
ワアワアと騒ぎながら、前世の僕が2人縦に並んだ時の身長くらいの大きく赤いドラゴンに、衛兵や護衛が一丸となり立ち向かっていた。
(グレイさんは…?……っ!?)
耳元で黒板を爪で引っ掻かれた様な音が突然した。
だが、周りの人達は聞こえないらしい。
【私達の王様は何処?】
誰も何も言っていないのにそんな声がする。
(何か嫌な予感がするね…)
背筋がゾワリと粟立ち、本能的に何かに対する恐怖を感じ、1步、2歩、と後ろへ下がる。
「みーつけた」
「え?」
パッと電気が消えるみたいに意識を失った。
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