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34 仇となった
「はぁ〜。何かドッと疲れたわぁ…。先に屋敷に戻ってるわね…」
出て行ってしまった。
「あ、そう言えばお前、自分の事を『僕』って言ってたよな?」
(ここは知らないフリをするべきだよね)
「何の事でしょうか?」
にこやかにシラを切った。
「惚けんな。お前、男なのか?」
(そうだよねぇ…!そうなるよね!?どうしよっかなぁ…)
家ではフランリーラも『ボク』と言っていたので、普通に使ってしまったのが仇となった。
「いえいえ、正真正銘女性ですよ」
(中身が成人男性なだけだから、合ってるはず…!)
「…………」
沈黙が走る。
「ほn」
「魔物の大群がこちらに向かって来ているぞ!!!」
1人の衛兵が入って来て、遮るように大声を上げた。
まだまだ続く、第1章。
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