28 伝説級
【昔々、金色の六芒星を双眸に秘めた平民のリシアがおりました。
その頃の平民達は貴族を酷く恨んでいました。自分達は汗水垂らして働いているのに、貴族達は働きもせず、ただただ贅沢を尽くして、平民達を見下していたからです。
ですが、リシアは違いました。
『何故、我等は働かなければならないのか。何故、貴族等は我等を見下すのか』と周りに聞き回ったのです。貴族を恨まず、事実確認をしているその姿を目障りに思った人も居ました。
その中の1人の貴族はリシアの家族を誘拐し、散々痛めつけてから、首を縄で絞めて殺しました。
リシアは憤怒し、こう言いました『あいつらは人ならざるもの。決して許してはならない』。
その決意に反応した金色の六芒星は赤く染まり、リシアに莫大な魔力と強靭な魔法を与えたのです。
その力を駆使して、リシアは貴族を殺し回りました。
貴族達は泣き喚き、命乞いをし、せめて子供だけでも逃がそうと企む人もいましたが、その全てを殺し尽くしました。
貴族達全てを殺した後に『あぁ、これでは貴族共と同じではないか…』と狂った様に笑い、その莫大な魔力に呑まれて国ごと葬ったとさ】
(ってのは、有名な物語だね。それ以降、六芒星をその双眸に宿した者は処刑されるor飼い殺し。いやぁ、まさかそれが…)
「自分の瞳に宿るとは…」
目隠しをされ、足枷と手枷を着けられて、地下牢に転がされている。
(フランリーラも怖がってたし…悪い事しちゃったね)
いきなりすぎて、怒りや悲しみも沸かない。
「どうしよっかなぁ」
ハッキリ言おう。
これくらいの足枷や手枷、牢屋なら、一発で壊せる。
無論、魔法でね。
(いや、止めとこ。周りから見たら、怖すぎるもんね)
「しかし…暇過ぎる」
ゴロ〜ンと寝返りを打つ。
(あ、そう言えば、魔法も身体能力も、この瞳にある六芒星のせいだったんだね…。なんか、ガッカリと言うか…出来れば、転生チートが欲しかったって言うか…)
「はぁ…」
憂鬱である。
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