27 魔法の試し撃ち
「今日の筋トレタイムまで、すこ〜し時間があるし…」
チラリと時計を見てからスクリと立ち上がる。
「魔法の試し撃ちをし〜よっと!」
ルンルン♪とスキップしそうな勢いで、前に見つけた訓練所へと足を運ぶ。
「誰も居ないね」
(チャンスだ…!)
そそくさと、訓練所の中心辺りに立つ。
(魔力を血液から分解して、掌に集める…)
瞳を閉じる。
ジワジワと掌が熱くなっていくのが分かる。
「…………」
ゆっくりと瞳を開く。
「『燃えろ』」
ボォォォォと音を立てて、土が燃えていく。
「あははははっ…!これは素晴らしいね…!」
暫く湯悦に浸っていたら、黒焦げの地面に目に映った。
「真っ黒焦げにしちゃったけど…どうしよう…?」
(魔法で何とかなるかな?)
先程の感覚で…
「『戻れ』」
キラッと一瞬だけ光り、何事も無かったかの様にただの更地になった。
「これで、癒やしの魔法と物を燃やす魔法が出来る事が分かったけど…」
『万能すぎやしないか?』と言う言葉でいっぱいだ。
「取り敢えず、この事をノートにでもまとめよう」
自室に向かうべく、クルリと踵を返す。
(『転生チート』かな?身体能力も人一倍あって、魔法もぜ〜んぶ出来る…。ただの人間兵器では?)
「姉様!何処へ行っていたんだ!!?」
フランリーラが駆け寄ってきた。
「く、訓練所で魔法の試し撃ちをしてただけだよ…?」
恐る恐る口を開く。
怒ったら怖そうなフランリーラには逆らえないしね。
「はぁ…。全く、一言声をかけてから行ってくれ」
(心配させてしまったかな…?)
頭を下げる。
「ごめん」
スッと頭を上げると、フランリーラと目が合った。
「あ、姉様…」
めっっちゃ凝視してくる。
「ん…?僕に何か付いてる?」
(もしや、土を燃やした時にそれが舞って汚れてるとか…)
「そ、それは…?」
恐る恐る聞いてきた。
「え?」
僕の蒼い双眸には、金色の線で描かれた六芒星があった。
護衛達の訓練所は、誰でも使ってオーケーなので、許可はいらない。六芒星は『✡』こんな感じ。
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