19 漢のフランリーラ
自室のフカフカベッドだ。
「うん…?」
ゆっくり、ゆっくりと目を開ける。
「姉様…!」
「フランリーラ…?」
勢い良く起き上がる。
「え?フランリーラが僕の自室に!?」
ガバリと起き上がる。フランリーラが僕が転がっているベッドの横にある椅子に何食わぬ顔をして座っていた。
「いきなり起き上がると危ない」
窘めるような声音で注意されてしまった。
「ご、ごめん…」
スッとまた転がる。
「姉様、寝たままで良いので聞いて欲しい。アイツが懲りずに外で喚いてる。それを殺す…黙らせる為の許可をくれ」
(殺すって言ったよね?じ、冗談とか…)
至極真面目な顔をして、僕が口を開くのを待っている。
(では無さそう…!ど、どう答えれば良い!?『ノー』と僕が言っても聞くかは分からない…!なんせ、ちゃんと話したのは今日だけ!どうしよう…!)
「え、えぇっと…ま、まぁ、取り敢えず、また後日に話し合うって事で…」
今は解決できないので、明日に丸投げ。
「なるほど…では、手を出しては駄目だ、と?」
俯いた。悲しい、というよりかは怒り心頭だ。
(ヒィッ!怖いよ…!ふ、不正解だったのかな!?この選択肢!)
内心はワタワタとしているが、表情には出さない。
「こ、」
(こ、殺される!?な、何か盾になるものは…!)
周りを瞬時に見渡す。枕元近くにある机の上のランプは盾になりそうだ。
「こ、こんな可愛らしくて慈悲深い姉様を持てて、ボクは幸せです…!」
プルプルと肩が震えている。
「え…?」
「あぁ!姉様の庭に来たと言うだけで、怒り狂ったボクを許してくれ!」
『ドラマの主演になったか?』と周りから矢継ぎ早に聞かれるだろうと思うくらいに、勢い良く立ち上がり、大袈裟に両手を広げ、悔し涙を流しながら高らかに言った。
(僕に対して怒ってなかったんだ…良かった。安心したよ…!)
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