10 これからも楽しく過ごせそうだよ
スッと瞼を上げる。
(夢…覚えてないけど、怖い夢だったなぁ)
ゴロンと寝返りを打つとオーウェンの寝顔が見える。
結局、ベッドは2つも入らず前より少し大きめのベッドで3人川の字で寝ている。
「んぇ?泣いてるんスか…?」
起こしちゃったみたいだ。
(泣いてる…?僕が?)
目元に手をあてがうと、少しだけ濡れていた。
「大丈夫…大丈夫ッスよ」
トントンと規則的に優しく背中を叩かれ眠くなる。
(優しい…ねぇ…)
いい夢が見れそうだ。
✼
「起きろ!!遅刻するぞ!!!」
シャッとカーテンが開く音が聞こえる。
「うぅん…ハッ!」
ガバッと起き上がる。
そのせいで少し頭が痛い。
「え!?今何時!?」
「安心しろ、ホームルーム30分前だ」
「結構ギリギリだね!?」
安心できないよぉとアリア君に弱音を吐く。
でも、ここに来てから初めてかな?寝坊するくらいよく寝れたのは。
「そ、それより、服を…!」
真っ赤になってる。服、服ね。
サラシも巻かずネグリジェ(ジェイコブさんに持たされた)で寝たのでちょっと刺激が強かったみたいだ。
「んふふ」
ジリジリとにじり寄る。
「みる?」
スッと胸元に手を当てる。
「み…」
「見ないッス!!」
ちっ…オーウェンに邪魔されてしまった。
「騒いでないでさっさとご飯食べちゃって下さい!本当に遅刻しちゃいますよ!?」
珍しく血相を変えたイリアが食パン片手に近寄ってくる。
「はい食べる!」
「んぐ」
無理矢理口に突っ込まれた。
「着替えますよ!」
グイグイ背中を押されて洗面所に連れて行かれる。
数分もしないうちに準備が整った。
流石侍女さん。
「早くしないと遅れるッスよ!」
鞄を持ったオーウェンは足踏みをしている。
「遅刻は流石にヤバいだろ。急ぐぞ」
何故か余裕たっぷりなアリア君。
「はぁい」
くすりと笑いが溢れる。
(これからも楽しく過ごせそうだ)
_どれだけ困難が続こうともこの思い出だけで生きていけるよ!
一度完結とさせて頂きます!
ここまで読んで頂き誠にありがとうございました!!
そして、少し宣伝をさせて頂きますね!6月17日の16時30分、連載をしようかと悩んでいるものを短編として出させて頂きます!
ぜひぜひ、見て下さい!