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32 反省の色なし
「ルシアさん」
ずっと黙っていたオーウェンが口を開く。
「もう危ない事しないで下さい」
悔しげに顔を歪めて絞り出す様に喋る。
相当参っちゃったんだね。ごめん…
「分かった。緊急時以外はやらない」
ミノタウロスに殴りかかったのは、興味本位もあったし…これからは、周りを心配させないようにしよっと。
「約束ッスよ」
「うん」
シーンとまた沈黙が流れる。
(ムードメーカーのオーウェンが静かだから、空気が重いね…イリアぁ、助けてぇ…)
僕がおちゃらけるのも良いが、今の雰囲気だと笑えないだろう。
暫く、沈黙に身を委ねていると…
「ルルシア!!!!」
怒号とも受け取れる大声が鳴り響いた。
ブクマよろです!




