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22 上目遣い
「前のリシアどのでももう少し怖がったのに…恐怖心と言うものが転生して抜けてしまったのか…?」
失礼だな。僕だって、恐怖心くらいあるさ。
冷蔵庫にあったイリアのデザートを食べちゃって叱られた時は怖かったし。
それよりも…
(何か気を使ってくれているのかな…?)
ほら、怖くないの…?的な。
ヴィフィーラ殿下もそんな感じだったし。
「ただ単に君が怖くないってだけだよ」
ニコリ。これでどうだ。
アビスは黙った。よし、効果はあったみたいだな。
「でも…われ、悪魔だし…」
「悪魔なんて気にしないよ」
間髪入れずに否定する。
「でも…」
「でもでも言ってないで、顔を上げてよ。主としての命令ね」
主従関係なら、僕が主だろうし(召喚したので)。
「うっ…はい」
猫が上目遣いでこちらを見てきた。
可愛い。
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