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16 練習用
「グォッ…!」
空気が変わった僕への警戒度をグングン上げている。
(拳で殴ると引かれるだろうし…)
ここは…
「アビス」
自分の意思とは関係なく口が開く。
けれど、気味が悪いとかは全く感じない。寧ろ、懐かしい。
「状態変化。練習用ね」
ベルトに差した刀が宙に浮き、 透明な光に包まれる。
スゥッと光が消え、宙に浮くのはただの木刀。
それは、どうぞと言わんばかりに僕の目の前に降りてきた。
迷いなく手にし、片足を引いて構える。
(しっくりくる…)
よく、『宰相』とも剣の稽古をしたのだ。その時に手にした木刀よりも、手に馴染む。
つまりは良い感じだ。
「グォォォォオ!!!!」
僕はミノタウロスの雄叫びとともに勢い良く駆け出した。
少なくてごめんなさい…!
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