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14 即答
「オーウェンとアリア君…?」
大きな声の正体はその2人だった。
「危ない事しちゃ駄目ッスよ」
「俺等が一歩でも遅れたら死ぬ所たったんだからな!?」
いつも元気なオーウェンは静かに怒り、いつも静かなアリア君は声を大にして怒っている。
いつもと真逆だ。凄いねぇ。
(全然避けられるんだけど、来てくれて嬉しいよ)
お陰で周りを気にせずやりたい事をやる決意が出来たよ。
「助けてくれてありがとう。
それと、1つだけ、お願いを聞いてくれないかな?」
ニッと口の端を上げる。
「僕、この牛さんにお灸を据えようと思うから、ヘレナ持って下がってて欲しいんだ」
「「はぁ!?」」
ブチギレられた。まぁ、仕方ない。『僕、死んできまーす!』って言ってる様なものだからね。
(仕方ない。最終兵器を出そう)
きゅっと2人の袖を握り、瞳をうるうるさせる。
「だめ?」
「「駄目」」
即答だ。
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