9 ルルシアは可愛い者が好き
トップバッターはC組で1番爵位が低い人だ。
魔術陣があわ〜〜〜〜く光り、ポムっと情けない音を立てて普通のサイズの卵が出て来た。
「次」
「はい」
感動する間もなく次の人が祈る。
次はちょい大きめなサイズの卵が出て来た。
(僕もそのサイズの卵が良いなぁ…)
可愛いじゃん。ヒヨコとか生まれたらもっと最高よ。親になれるんだよ?自分が。最高以外の何物でもないでしょ。
ちょっとウキウキして来た。
✼
「次」
「はい」
お!アリア君の番か!
誕生日が6月20日って言ってたし、名前が『ア』から始まるし。妥当か。
気怠そうに膝を折り、祈りのポーズを取る。
ピカッと太陽の光が海に反射したみたいに光り、その中心には青色と水色の2つの卵が置かれていた。
『げっ』とあからさまに嫌そうな顔をし、2つを持ってスタスタとこちらへ戻って来た。
「次」
「はいッス!」
次はオーウェンだね。
元気よく膝を折り、祈りのポーズを取る。
ピカッと真夏の太陽みたいに光り、その中心にはオレンジ色で太陽のマークが1つ入った卵が置かれていた。
大事そうに抱えて、こちらへ戻って来た。
「次」
「はい」
ヴィフィーラ殿下の番だ。
無表情で膝を折り、祈りのポーズを取る。
ピカッと暗い部屋に電気が付いたみたいに光り、その中心には黒い卵が生成されていた。
感情が読み取れない表情で、こちらへ戻って来た。
「見て。黒色よ」
「やだ…不吉ね…」
戻って来た途端にヒソヒソと喋り出す。
(次は公爵家の中でも古株なヴァイデット公爵の息子?の僕だね…。あんな色じゃなくても良いから、可愛いのが良いなぁ…)
「えぇ…公爵子息に入る前に、聖女ヘレナ」
「はぁい!」
あ。そうだったね。居たね。
私可愛いでしょ?オーラ全開で膝を折り、祈りのポーズをする。
虹色に光り、その中心には…
「はぁ!?何よこれ!?」
厳ついミノタウロスが居た。
何故…?
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