1 御愛嬌
「最近、寝れないんですよ…」
守護霊獣召喚の話が終わり、寝に行ったはずのイリアが戻って来た。
「どうしたの?何かあった?話くらいなら聞けるよ」
今日は寝ないつもりこ(魔法や魔術の実験&研究の為)僕が言うのもなんだけど。
オーウェンとアリア君は爆睡中だ。つまりは、真夜中。その時間に珍しくイリアが訪ねてきたと思って、何かあったのかと心配してからのこれだった。
「ルルシア様が、寝てないから寝れないんですよ」
『何を言っている?こんなの当たり前だろう』と言いたげだ。
「僕達って、一心同体だったけ?」
「『イッシンドウタイ』?」
首を傾げる姿も可愛い。
「いや、こっちの話。
それより、睡眠薬でも作ろうか?今ならハーブ由来で健康にも良くしてあげる」
僕の机に付いている魔改造された引き出しを開ける。
ミニ草原が出来ちゃってるんだよね。だから、その消費に丁度いい。
「嫌です。ルルシア様の作った睡眠薬を飲んだら気絶する様に寝ちゃいますから」
(良い事じゃない?)
「悪い事です。私にとっては。
だって、明日は何やろうかなぁって考える時間が無くなるじゃないですか」
凄いね。僕が思ってる事が分かったんだ。
「要するに、ルルシア様が寝てくれれば私も寝れるんです!」
僕の机をダァンッと叩く。
「ちょっ…!静かにしてよ…!オーウェン達が起きちゃうでしょ…!?」
「あ。うっかりしてました」
テヘッと舌を出すイリアに免じて許しちゃう。
「うぅん…?」
アリア君が起きてしまったか!?
「………」
あ。大丈夫そうだ…!
(あ、焦ったぁぁぁ…!)
「シィーですね…!」
「イリアがね…!」
元凶はイリアなのよ。ホントに…あぁ、マジで焦った…。
「お腹空いたッス!」
ガバリと起き上がるオーウェンに悲鳴を上げたのは御愛嬌だ。
新章開幕ッ!
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