オマケ1 ルルシアの髪の毛事情
「ルシアさん」
「何?」
クルリとオーウェンの方を向く。
「その髪型って、どうやったんスか…?」
この世界には無い髪型だから興味を持たれたらしい。
「これはね…」
_ヴァイデット公爵邸にて
「まずは、髪を切りましょ♡」
エッサホイサと担がれ、運ばれる。
着いた先は、風呂場だった。椅子の周りにはご丁寧に新聞紙まで引いてある。
と、言う事は切りに行くのではなく誰かがここで僕の髪を切るって事だよね…?
「はい、ここに座って下さい!」
素直に座り、ササッと準備をする2人をボーッと眺める。
すると鋏を持ったイリアが軽やかに近付いてきた。
(なんか嫌な予感がするんだけど…)
スッと鋏を僕の髪(襟首ぐらい)に添えた。
「ちょ、ちょっと待って!」
服に髪の毛が着いちゃうし、美容師としての経験が皆無(多分)なイリアに任せるのは怖い。物凄く怖い。
「短くした方が男の子っぽく見えますって」
長くても男の子っぽくみえるからちょっと待ってって!
「あ!駄目よ、イリアちゃん!」
その言葉に驚いたのかチョキリと音を立て僕の長い髪の毛がちょっと切れた。
パサリと嫌に音を立てて落ちる。
「うわぁ…」
僕の短く小さい悲鳴を皮切りにキャー!と2人が悲鳴を上げる。
「ど、どどどど、どうしよう!?は、反対側を切って左右対称に…!」
「そうね!それが良いわ!」
_現在
「と、言う訳だよ」
「なるほど…」
(いやぁ、あの時は内心焦ったね。半分くらい切れたんだもん)
今となっては笑い話だ。
次は正午に投稿予定です!




