32 翌日の話
そんな事があり、昨日は大変だったよ…。
しかも、イリアに『握手してきて下さい!そして、私と握手すれば、間接握手です!』と言われたので、今はヴィフィーラ殿下の通り道を塞いでいる。
「退いてくれないかい?」
「嫌です」
ニッコリ。放課後なので、周りの目はまぁまぁあるが気にしない。
「ヴィフィーラ殿下」
「な、何かな?」
右手を差し出し、そのまま腰を折る。
「握手して下さい!」
唖然である。周りもヴィフィーラ殿下も。
オーウェンとアリア君は、暇そうに僕を待ってくれている。優しいね。待っていてくれてありがとう。
「君は怖くないの?」
頭を下げたまま顔を見る。
「全然怖くないですね」
何故そうなったのか聞きたくなる程に泥だらけのドラを叱る『宰相』の方が余程怖いし。
黒髪?それがどうしたって感じだ。
「悪魔と呼ばれているのに?」
その顔はまるで叱られるのをジッと待つ幼児の様に怯えている。
(信頼するのが…いや、僕に気を許すのが怖いんだろうな…)
僕は前世の記憶があるので、裏切られたら裏切られたで過ごそうと思っている。あ。イリアには絶大な信頼を置いているけどね。オーウェンもアリア君も信頼はしているけど、いい意味で期待はしていない。その人の気持ちはその人次第だから。
「じゃあ、こうしましょう」
サッと顔を上げ、真面目な表情で続ける。
「貴方が人を殺しそうになったらその前に僕が殺して差し上げます。ですから、僕が暴走して人を殺めてしまいそうになったら、即座に殺して下さい。
平等でしょう?」
ニッと口の端を上げた。
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