27 事件発生
嫌だなって感じる人が居るかも知れない描写があります!
各自で自衛をよろしくです!
「風呂上がったぞ……え?」
風呂から上がったばかりの俺は自分の目に映るモノがのぼせた事による幻影かと思った。
「あ、アリア君…」
うつ伏せに倒れるルシアと、涙目のオーウェン。
「お、おい!何があった!?」
慌ててダダッと駆け寄る。
「お、オレも分からないッスよ…!」
挙句の果てにポロポロと涙を流すオーウェンにオレは少し狼狽える。
「オレ、イリアを部屋に送って…帰って来たらこうなってて…!」
と、言う事は、オーウェンは本当に何も知らないのか。
「一体何が…?」
_遡ること数10分前
「夜遅いんで、オレが送るッス!」
「あ。ホントですか!?やっさしぃ〜!」
「えへん!任せて下さいッス!」
2人揃って部屋から出て行ってしまった。
(イリアに好きな人がいるとは…!)
知らなかったよ!ホントに!何でそんな重要な事を教えてくれないのかな!?
(相手はどんな人だろう?
イリアは騙されやすいから、悪い人じゃないといいんだけど…。でも、そこで悪い人を引っ掛けてくるのがイリアなんだよね…!)
悶々と悩む。しかもさ、報告なしって…怒りが一周回って悲しくなってきた。
(大丈夫かな?お金とか巻き上げられてない?
…いやいや、イリアも成人女性だし…でも…)
悩めば悩むほど怖くなっていく。
「あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!誰か僕の意識を飛ばしてくれぇぇぇ!!」
「分かった!」
「へ?」
後ろに気配を感じ、振り向くと。
「『宰相』さんに内緒で来ちゃった!」
ドラであった。重みで床が沈んじゃってるよ。どうしよう?
…じゃないよ!どうやって来たの!?
(あ。そう言えば、『宰相』が僕の影からならこっちに来れるって言ってたっけ…?)
と、言う事は影の中から出て来たと言う事か。
「痛くない様に頭を殴ってあげるね!そうしたら、意識が飛ぶと思うよ!」
ドラはブンブンと手刀を素振りをする。
現実逃避している場合では無かった。このままだと僕の脳みそを床にぶちまける事になってしまう。
「ちょっと、ま…」
ブンと真横に手刀が下りる。
よ、避けて良かった。これがまともに当たれば…死ぬ。
「避けないでよ!えい!」
ブンブンと腕を振り回す。
「うわっ!し、死ぬ死ぬ!死んじゃうから!」
サササッと全てを避ける。
「むー!これなら!」
洋服の襟をガブッとされる。
「ひぇ…」
そのまま持ち上げられ、あまりの高さに失神した。
_現在
「この大きな足跡から見て魔獣に襲われたのかも知れない」
アリア君は深刻な顔で伝える。
「と、取り敢えず、寮にいる先生に伝えて来た方が良いんスかね…?」
「そうだな…」
重たい空気が流れる。
そんな中、僕は目を覚ましてしまった。どうしよう。
ブックマークをよろしくお願いしますッ!!!




