21 他国の王族なんだからさ
「わたくしは何もしておりませんわ」
僕がヤキモキしている間にレラーヌちゃんは反論していた。
「聖女ヘレナが嘘を付いていると言うのか?」
あ。アストリア殿下は聖女側になったんだね。この短期間で何があったんだか。
「お待ち下さい」
野次馬達を突っ切る様に現れたのは…
(キャー!カッコいいよ!セレナちゃーん!)
聖女ヘレナの姉、セレナだ。
「レッドレル国の王太子、アストリア殿下にご挨拶申し上げます」
カーテシーまで見惚れる程にカッコいい。
「そう言うのは良い。端的に話せ」
「はっ」
スッと頭を上げる。
「聖女ヘレナ…私の妹は、虚言癖が御座います」
凄い端的に言ったね。
「はぁ!?何言ってるのよ!お姉ちゃん!」
聖女に似合わぬブチギレだ。
「聖女に無礼だぞ!」
うん、本当にあっち側なんだね。
「何か感じ悪いッスね」
「そうだな」
ちょっと2人共。そんな事言っている暇があったら、助けに行ってよ。一応、他国の王族なんだからさ。
「アストリア殿下ぁ。わたし、お姉ちゃんに虐められてて…いつも嘘つき扱いされるのぉ…!」
完全に嘘泣き。周りの空気も冷めていく。
「可哀想に…!おい!誰か、この女を罰しろ!」
当たり前だが、周りは引き気味だ。と言うか、引いている。
「アストリア殿下!それは流石にやり過ぎですわ!」
おぉ、果敢に忠言しているレラーヌちゃん…カッコカワイイ!
「煩い!公爵令嬢の癖に…!私に指図するな!」
完全に気が狂ってるね。魔法の類…いや、魔術かな?
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