20 僕は形と性格が良ければ何でも良い
満腹になった所で、グルリと周りを見渡す。
(確か、今日ここで百合ルートの最初のイベントが起こるはず…!)
決して忘れていた訳ではない。決してだ!
「キャア!アストリア殿下ぁ、この人がわたしを睨んでくるぅ…!」
なぁんか聖女ヘレナが見えた気がしたな。
ま。気の所為だろ。
…え?あれ?難癖つけられているの…レラーヌちゃんじゃね?
(僕の愛しのレラーヌちゃんに、なんて事を!!!)
因みに、難癖と分かったのは、レラーヌちゃんが食事中だったからだ。
淑女なので、足を引っ掛けるとかも絶対にしないだろう。
まぁ、睨むなんてレラーヌちゃんの性格的にもしないしね(睨むくらいなら声を掛けると思うので)。
「オレ、アイツ嫌いッス」
「聖女か?」
「そうッス」
「分かる。アイツは鼻の下伸ばしてるけど」
オーウェンとアリア君も嫌いらしい。
アストリア殿下は満更でも無い顔だね。
豊満なお胸を押し付けられているので。
「俺は、尻派だな。胸とかどうでも良い」
「オレは性格が良ければ誰でも良いッスよ」
ちょっと男子ぃ。アンタ達の好みは聞いてないのよー。
それより、レラーヌちゃんを助けてやってよぉ…!
僕が助けに行くと、令嬢令息達からめっちゃ嫌われてるお陰でレラーヌちゃんの評判が下がっちゃうし。
どうしよ…詰んでるじゃん…
見なくても良い蛇足:ルルシアの胸は、それを小さくする魔術の実験と運動のしすぎにより、イリア以外です




