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19 食べ物の事に関しては優しくない
「なぁ。それ、一口くれよ」
自分のを完食したアリア君は僕のを指差す。
「嫌だよ。僕だってお腹減ってるの」
「ちぇっ。なぁ、オーウェン」
僕から貰うのを早々に諦め、次はオーウェンをターゲットに定めた。
「なんスか?」
流石のオーウェンも警戒している。
「それ、一口くれよ」
「なんだ。そんな事ッスか。どうぞ!」
自分の昼ご飯を少しづつ分けて小皿に移し、差し出す。
「サンキュー」
(オーウェンは凄いねぇ…僕だったら絶対分けない)
何て、心の中で感心していた。
周りは『びーえる尊い』って言ってた。
びーえるって何だろうね。
ルルシアはボーイスラブの存在だけは知っています。略語は知らない。




