10 激可愛い妹
「で、デカすぎないか!!?」
ドドーンと言う効果音が付きそうなくらいの大きい城だ。本邸はその半分くらいだろうか。
本邸より別邸の方が大きいなんて…。やはり、主人が居た方が『本邸』と言う事なのだろうか?
「どうしよう…ちょろっと覗いて終わりにしようと思ってたけど…」
(これはちょろっと覗ける感じでは無いな)
勿論、警備も本邸の2倍なので『こんにちは☆』なんて言おうものなら、即座に通報されるだろう。
「どうしよっかな…」
ウンウンと考えていると、チラリと2階の窓から桜の花弁の様な長い髪にカタバミの様な黄色のクリンとした瞳が見えた。
「フランリーラ…」
ニコリとこちらを見て笑いかけてくれた姿は当に天使。
「かわっ…!」
ズキューンとフランリーラの矢で撃ち抜かれた。
その後、フランリーラは窓に背を向けて寄りかかっていた。
(この威力なら性別関係無く、皆一様にロリコンになれそうだ…!このままでは僕もロリコンになってしまう!それはまずい…!一目見たし、早く帰ろう!!)
踵を返そうとした、その時…!
「アイリアぁ、ぼくねぇ、『君と甘ぁい蜜月を過ごそうよぉ』って三日前に言ったよねぇ?悪い子には、お♡仕♡置♡き♡」
姿は見えなかったが、甘ったる〜いおっさんの声がハッキリと聞こえた。
そして、フランリーラの頬に汗がタラリと垂れる。
(見えてしまったし聞こえてしまった…)
スッと耳を塞ぐが聞こえたものは取り消せない。
(ねぇ〜!この体、目も耳も良すぎない!?耳だけじゃなくて、鼻も舌も…なんなら5感全部良いんだけど!?どういう事!!?もしかしなくても『転生チート』ってやつなの!!?)
そうなのだ。寝ている時に、『甘くていい匂いがするなぁ』って思って、それに釣られて匂いの元に行ったら、コック達がデザートの余りのフルーツでフルーツケーキを作って食べてて!
僕は甘い物がさして好きでは無いけど、ルルシアは好きで…。でも、飛び出すのは出来なくて…!生殺しだった!!それもこれもぜ〜んぶ、僕の五感が良すぎるせいだ!!
今もそう!これで聞かなかったフリをして逃げても、本邸に帰ってから絶っっっっっ対に後悔する!
しかし、元サラリーマンで普通の成人男性に立ち向かう勇気などは無い!
(かくなる上は…!)
「あ゙〜!魔物だ〜〜〜〜〜!!!!」
思い切り叫ぶ。これに限るね。




