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3話
「アールー」
少しぼんやりとしていると、幼い少女の声の聞こえてきた
まだ幼い少女にしては、足が早く遠くの方にいたはずがあっと言う間に目の前についていた。
「アルー!!
探したわよ、もうそろそろ暗くなるわ。
お姉ちゃんと帰りましょ!」
私より2つ上の10歳の少女
姉のシュリア・クローリーだ
騎士爵とはいえど貴族のご令嬢にもかかわらず顔も服も土や草やらで汚れている。
「もう!アルったら!
帰るわよ!お母様が怒るわ」
そう言って手を引っ張っていく。
活発でご令嬢というよりも下町の少年のようだが、私にとっては良き姉だと思う。
「ありがとう、姉上。」