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家族のこと

作者: 帽子男/Hatt
掲載日:2021/04/19

母はとても怖かった。父は今でも怖い。兄にあこがれている。妹はいい子だ。


今でこそ意見できるが、少しまだ怖い。恐ろしいわけではない。父もそうだ。

わけも分からず叱られた事を体が覚えているだけだ。頭ではもう忘れた。

母は変わったし、変わっているが、変わっていっていない。

話は聞いてくれるようになった。違和感と気持ち悪さが、発言と心のズレからはみ出している。

まだ話は聴いてくれないままだ。


父は怖い。もう僕は二十歳になろうとしている。まだ怖い。しかし超えなくてはならない。

あの話し方が苦手だ。こちらを見下ろす父の話し方だ。大人になれと焦らせる心が、僕を思春期にする。

もやもやしたこんな詩を書かせるのも父のせいだ。別に敵じゃないはずなのに、大きな壁にみえる。

気を抜いて、何も考えずに話す事は難しい。反抗期は過ぎたと思っているつもりだ。

僕は自分で先の事を決められるはずだ。


兄はすごいわけじゃないと思う。けれど、努力家だ。僕の歩いた先もこうあればいいのにとさえ思う。

兄の家に行った帰りに、吐きそうになった事がある。何てことない普通の家だった。

どうしてか解らないけれど、今でも時々そうなる。

憧れが普通だった事に絶望でもしたのだろうか。言葉になる前の、初めての気持ちだった。

また喧嘩がしたい。


強い子になってしまった。強い振りをさせてしまっている。このぼろぼろの家族を、

時々一人で支えようとするのだ。妹は努力家で、辛抱強くて、志もある。

おちゃめな妹の事を、どうしてやりたいだとか、こうなればいいなだとか、もう思わないほどに、

強くあるのだ。思春期の灰汁も強すぎて、僕はセクハラを受けている。

かろうじて僕を兄で居させてくれる。


この詩は僕のために書いた。僕が書いた。

一握りのきれいな言葉がほしかったわけではない。

気持ちの整理のためじゃない。

先の僕の決断の時に、勇気を届けるために、書いた。

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― 新着の感想 ―
[一言] がんばれとかそんな外野からの言葉は求めてないようですが、一つだけ言わせてもらいます。 なんか、上手く言えないけど、かっこいい。
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