表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

第五章<部活設立>

部活勧誘をされていた陸陽朝長(りくようともなが)、そんな時に現れた月島涼夜(つきしますずよ)

そして彼女は思わぬ発言をする。

放課後、ここは部活用の別棟にある部室。


どうして•••


ここには、僕ともう一人...月島涼夜がいた。


どうしてこうなった⁈


「じゃあよろしくね、朝長くん」


そして窓から刺す光に当てられた彼女の姿が、妙に印象的だった。





時は遡ること昼休みのある時。


清明による巻き込みで、陸上部に囲まれた時のこと。


「すいません」


後ろから彼女、月島涼夜が話に入ってきた。

流石の陸上部も、彼女のことは知っていたため動揺した。

つい先日、新入生代表挨拶をし、美少女だの可憐だの騒がれていた彼女が話しかけてきたのだから、動揺しない方がおかしい。


「な、なにかな月島さん。今俺たちは彼らを勧誘しているところなんだが」

「えぇ、知っています」

「も、もしかして⁈君も陸上部に入ってくれるのか⁈」

「いいえ、違います」


彼女の雰囲気や表情は、非常に穏やかだが言葉に棘があるように感じた。


「じゃあなんだい?」

「そこの朝長くんは、陸上部に入ることはできません」


流石の僕と清明も驚いた。


まさか、陸上部入部を拒んでいることを察してくれたのか月島さん⁈いやでも、なんで突然...


「なぜだ⁈」

「それは...」


「「「それは?」」」

「彼と私で新しい部活を作ると、昨日のレインで約束したからです‼︎」


え•••


「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!??」」」

「そうよね、朝長くん」


そうよね、朝長くんって笑顔で言われても困るよ⁈


「朝長...いつの間にそんな月島さんと親しげに...」


なにか勘違いをしている清明と、


「そ、そうか...それなら...しょうがないな...」


なぜかダメージを負っている陸上部。


「それじゃあ朝長くん、新しい部活の設立のため相談したいことがあるの、ちょっと屋上に行きましょうか」

「え、え、え、月島さん⁈ちょっと⁈」


そして彼女に手を掴まれ、食堂を後にした。





そして、手を掴まれたまま屋上に着いた。

ここに来るまでかなりの人に見られたため、正直めちゃくちゃ視線が痛かった。

それもそうだ、美少女がこんな平凡な男子の手を掴んで歩いているのだから、気になるに決まってる。


一方の涼夜は•••


どうしましょう⁈どうしましょう⁈勢いでこんなことをしてしまってよかったのかしら⁈

いや、正直私は驚いたよ...涼夜があんな大胆な行動をするなんてね...

朝長くんがすごく困っていたからつい...

しかも気づいてた?あんたのさっきの行動、周りの人も見てたよ。

え、嘘⁈なんで⁈

あんた本気で言ってる?


流石の真昼も、ここまで気づかない涼夜に呆れていた。


あのね、部活の人達がある男子を勧誘しているときに美少女が話に入ってきて、その勧誘していた男子の手を掴んで連れ去っていったらどう思う?

え?そりゃ驚くわよ、当たり前じゃん。

それを今、あんたがしたのよ?

え?


涼夜の思考が一瞬停止していた。


も、もしかして私...

やっと気づいたか。

朝長くんの手、掴んでた⁈

いや、そっちかーい。いやそうね、たしかにそれは驚いたよ...

ど、どうしましょう。ハッ?!も、もしかして私まだ手を...


涼夜はゆっくり右手を確認した。


いいいいやぁぁぁぁぁ!!!!どうしましょう?!どうしましょう?!これ?!

うるさいうるさい!!とりあえず落ち着けって!!とりあえず手を離してやれよ!

そ、そうよね。


涼夜は手を離し、後ろを振り返る。


どうしましょうこの間...

お前が勝手に連れ去ったんだろ、お前がなんとかしろ。


涼夜は、どう話しかけるか悩んでいた。






き、気まずい...


一方、手を離された朝長は、緊張していた。


こっちから話しかけるべき...か?いや、待っていた方がいいのか?

こ、困ったなぁ...女子と二人きりだなんてなかなかなかったし...

でも、あの陸上部の勧誘から救ってくれたことは、ちゃんお礼を言わないと。


「「あ、あの」」


二人の言葉が被った。


さ、最悪だ。被ってしまった...ここは譲らないと...


「ど、どうぞ月島さん」

「い、いえ朝長くんこそ」

••••••


二人の間に沈黙が続く。


「じゃ、じゃあ朝長くん。新しい部活の設立について話しましょうか」

「え?」


えぇぇぇぇぇぇ⁈本気だったの⁉︎あれ⁈てっきり陸上部の勧誘を断るための算段だと思っていたのに?!


「そうね...どんな部活にしましょうか...」


あ、これ本気なやつだ


「なにかいいアイデアはない?」

「そ、そう言われても...」


いやいや困るよ...いきなりそんなこと言われても...


「そうだ!朝長くん、中学のときは何部だったの?」

「いや、帰宅部だけど...」

「帰宅部ね...」


いい返事ができなくてごめんなさい‼︎


「いいことを思いついたは!」

「というと?」

「帰宅警備部にしましょう!」

「え?」

「私にしてはグッドアイデア!じゃあ先生に申請してくるわね」

「いや、ちょっ」


こうして、彼女は屋上を出て行った。





そして、まさかできるはずがない...

と思いながら五時間目から七時間目まで特に何もなく終わった。

清明はというと、なぜかずっと顔を机に粘りつくしていた。

先生に怒られていたが聞く耳を持っていなかった。

帰りのホームルームが終わり、帰ろうとしたとき。


「朝長くん」


まさかと思った。


「もしかして月島さん...」

「承認されたわ!今から私達の部室...いえ、帰宅警備部の部室へ行くわよ!」

「なんで承認されたの...」






ここまでがここに至るまでの話である。


「ところで月島さん」

「なに?朝長くん」

「この帰宅警備部?は具体的には何をする予定なの?」

「何もしないわよ?」

「は?」


ついつい声に出てしまった。


今、何もしないって言った?


「別に何も考えてないわ。でもそうね、帰宅の見回り程度はしましょうか」

「ま、まじですか」

「まじまじよ!実際私、部活の勧誘たくさん来ていて鬱陶しかったのよ、だからちょうどよかったわ」


なるほど、確かに月島さんは注目の的だから勧誘しようとする部活は多いか。

え、つまりは隠れ蓑に利用されただけ?


「じゃあ、とりあえず帰宅の見回り行くわよ!」

「え、何もしないんじゃ」

「帰宅の見回り程度はするって言ったじゃない。ほらほら、行くわよ!」





こうして、帰宅警備部の活動が始まった。

次回は、帰宅の見回りをし、さっそく事件に遭遇します。

そして、とある人物を発見それは...

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ