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第二章<感じる視線>

新入生代表挨拶で、月島涼夜(つきしますずよ)はどうやら陸陽朝長(りくようともなが)が気になっている様子。

そして担任から自己紹介という言葉が•••

うん、やっぱり見られてるよね。


さっきからチラチラ月島さんが見ている...気がする。

自分の顔に何かついているのか?と疑問に思うが、触って確認しても特になにもない。


もしかしたら、僕じゃなくて後ろの子を見ているかたまたまそう見えるだけだろう、自意識過剰はいけないいけない。


「なぁなぁ月島さん、チラチラこっち見てね?」


小声で隣の清明が笑顔で話しかけてくる。


「そう?それは全生徒を見ているからそう見えるんじゃない?」

「いや、あれは見てるね。あ!もしかして俺が見られてるかも⁈俺って月島さんに脈ありかもしれない!」

「あまり期待しない方がいいと思うけど」

「そんな寂しいこと言うなよー」


ちょっと寂しげな顔をする清明、たしかにこいつは顔が美形だからモテるだろう、でも月島さんがこのようなタイプが好きかと考えると違う気がする。


それにしても綺麗な声してるなぁ月島さん


月島涼夜が新入生代表挨拶をしているなか、下らないことを考えながら、朝長は体育館の天井を見ていた。




一方、月島涼夜は内心大変なことになっていた。


ねぇねぇ、見た感じ涼夜はあの子のことどう思う?

どうって言われても•••

でもわかるよ、涼夜も感じたでしょ?!あの子から!

いや、その、えっと•••

わかる...わかるよその気持ち、感じたんでしょ?

う、うるさい!今新入生代表挨拶しているの見えないの?!頭の中ごちゃごちゃになるじゃない?!

なるほどなるほど、頭の中がごちゃごちゃになるほど気になると。

静かにしてて!今一瞬何言うか忘れたじゃない!


そして、月島涼夜による新入生代表挨拶は、ある一人の男の子によって、酷く動揺する形で終わった。






「いやー終わった終わった、それにしても月島さん可愛かったなぁー」

「あー、そうだね」


新入生代表挨拶が終わり、その後すぐに教室に戻ることになったため、朝長と清明は教室に戻っていた。


「ていうか月島さんって、どこのクラスなのかなぁ」

「さぁ?もしかしたらうちのクラスかもしれないよ」

「え?まじ⁈でも朝いなかったぞ」

「新入生代表なんだから、職員室に行っていたかもしれないよ」

「なるほどな!よし、気合い入れよ!」


いやなんの気合いだよ


そんな他愛もない会話をし、教室についた。

そして自分の席で、清明のどうでもいい話を聞いている時•••


「月島さん、はじめまして、新入生代表挨拶お疲れ様!」

「月島さん、こっちのクラスだったんだ!感激!」

「月島さん月島さん!今度お茶どう?」

「おい、抜け駆け禁止だぞ」


などという会話が聞こえてきた。


「よっっっっっしゃ、月島さんと同じクラスじゃん!」

「よかったね、清明」

「高校入って早々、青い春がきた!」


清明のテンションは高い

たしかに普通の男子なら、あのような美少女と同じクラスだとかなりテンションが上がるはずだ、案の定今教室にいる男子のほとんどがハイテンションで騒いでいる。

だが、衝撃だったのが。


「え?月島さんこっち来てね?」

「え?」


なんと、月島さんが隣の席に座った。


「今日からよろしくね」


まさか月島さんが席に座って最初に話しかけたのが自分だとは予想外だった。


「よ、よろしく」

「私は月島涼夜」

「えっと、僕は陸陽朝長」

「朝長くんね、私のことは月島と涼夜、どちらの呼び方でもいいわよ」

「わ、わかったよ月島さん」


彼女は笑顔で返答し、自分の持ち物を確認していた。

そして前を見ると、頭を叩かれた。


痛い•••


「おい!なんで月島さんに最初に話しかけられてんだお前!」

「いや、そんなの知らないよ•••」

「くっそ、羨ましいやつだなお前」


どうやら周りの男子からもそう思われいるらしく、何故か殺意に近い視線も感じた。

それにしても、新入生代表挨拶の月島さんからの視線は本当に勘違いなのか?あと確かこいつ、クラスの全員の名前覚えたとか言ってたのに、なんで月島さんと同じクラスだってわからなかったんだ?


「俺も月島さんと話したいのに!」

「話したければ話しかければいいじゃないか、清明なら簡単に話しかけたりできそうだけど」

「馬鹿お前、あの上品なオーラ見てみろよ、俺達とは何かが違うから話しかけにくいんだよ」


たしかに、彼女から何故か上品なオーラを感じる。

しかし女子達は違うようで、月島さんの席に集まっていた。


「女子は気軽に話せていいよなー」


気軽っていうか、一方的に質問攻めしてるイメージだけど。


そんな中、一人の先生が教室に入ってきた。


「おーい、座れお前ら出席取るぞー」


そう、先生に言われ、みなが席に座っていった。


「えーと、欠席は一人か、全く入学早々欠席とはこいつはなにをしているんだ」


どうやら欠席が一人いるらしい。確かに、入学早々欠席はおかしな話だ。

まぁ自分には関係ない話だが。


「お前らの担任を務める福田だ、これから一年よろしく頼む」


この人が担任か•••

なんかフワッとした人だな、ていうか服装ガチガチの私服じゃねーか


そんなことを思っていると清明が手を挙げた。

「先生!」

「ほい、えーとお前は清明って名前か、なんだ?」

「なんで先生の服装はガチガチの私服なんですか?」


まさか清明がその質問をするとは、いやこいつならするか。


「いい質問だ!答えはな」

「答えは?」

「スーツとかめんどくさいじゃん?あんな馬鹿みたいな格好する人は頭がおかしい!」

「めっちゃ本音じゃないですかそれ」

「本音で話すのが俺のポリシーなんでな」


いや、それは失礼にあたる時もあるだろ。


「よし、質問にも答えたことだし、まだ時間もある!」


まさか•••


「今から全員の自己紹介といこうか!」


うわ•••最悪だ•••

僕はこんな性格だから自己紹介とか苦手なのだが•••


「いいねいいね、学校はこうでなくっちゃ!」

「だろ?」


完全に清明と先生は意気投合していた。


次回こそ自己紹介にしていこうと思います。

自己紹介が苦手な朝長はどうするのでしょうか。

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