死んで...ない...?
「えっ...?」
私はとても困惑していました。さっきまで死を覚悟していたのに...
ここは最奥の洞窟と呼ばれるダンジョンの入り口付近で最下層には魔王が眠っているという逸話がある場所なのですが、今日はここにしか咲かない花を求めてやってきたのです。しばらく夢中で花を摘んでいたため、周りへの注意を怠ってしまったため、モンスターの接近に気づけませんでした。B級モンスター、ラットの群れです。これだけいれば、A級相当で一流の冒険者でも念入りに準備をしなければなりません。もちろんこんなところにそんな人が来るはずもないでしょう...絶望で心が満たされ、「ごめんね、みんな...」と心中でつぶやきました。そしてくるべく衝撃を身を固くしてまっていましたが...
「えっ...?」
目の前には花が掻き消えたようにきれいな地面があって...
そして目の前には倒れた15歳くらいの人族の男の子がいて...
「あっ、だ、大丈夫ですか?聞こえますか?」
俺は魔法の成果を確認して大丈夫?って声をかけようと思っていたら、視界が横倒れになって...あ、やばい。死んだかも...なんて考えて意識が暗転した...