白い世界
そこには、何もなかった......
広い空間の中に、俺一人だけが立っている....何とも奇妙で、妙に懐かしさを覚える空間だった。部屋ではなく、そこは空間とか異次元と表したほうが適切だと思う。なぜなら広すぎて果てがないのだ。天井があるかすらわからない、まるでマイ〇ラのスーパーフラットの世界みたいだと思う。下の地面は走っているときは固いのに、止まるとたちまちスライムのようになった。まるで片栗粉だなぁと人ごとのように思う。
しばらくして...
眠いなぁ~寝てしまおうか、と考え始めたとき動こうとしたら前に倒れた。反射で受け身とったけどなんかぐにょぐにょしてる....足元を見てみると止まっていたせいか足が埋まっていて、若干透けて見える床をのぞくと白骨の死体が累々と積み重なっていた....嘘でしょ?慌てて抜け出そうにも動けば動くほど床がまとわりつくようだった。まるで底なし沼....すると、下のほうが黄色い液体で満たされてきた。まるで泉のように湧いてきた、いや分泌されてきた。その時になってようやく、この空間がモンスターの体内だと悟った俺は自分を中心として空間魔法を使い、暴走させた。もちろん俺の制御を離れた魔法は収縮して...疑似ブラックホールの完成である。まわりのすべてを例外なく吸い取って数十秒後....
俺はまた前の場所に戻ってきた。そこには阿鼻叫喚の地獄絵図だった面影はなく、きれいな道が続いていた。こうして綺麗にされているのかと感心して、道を歩いていく。(ちなみに反対の道を行った蜘蛛たちはしっかり回収した。)