こんな能力で大丈夫か?
大丈夫だ、問題ない。とは言えないんだなあ〜いつ飽きるかわかんないしな〜
俺たちは端末のスイッチを入れると、能力が画面に映し出された。
「能力…図鑑?図鑑…なんっだコレ!?!?図鑑!?魔法とか剣術とかじゃなくて図鑑!?どう使えばいいんだよ角で殴れってか!?」
わけがわからない。強力な魔法かと思い蓋を開けてみたら図鑑?そりゃキレても仕方ないだろ!誕生日プレゼント開けたら勉強ドリルだった時の気分だよ!!
「ねえ、私…魔法だったんだけどさ…」
「ん?物を移動させる魔法?すげえじゃん!コレでモンスターを移動させちまえば…「違う…よく見てここ…」
俺が画面の能力説明の欄を見ると『物体浮遊魔法(ただし生物には効果なし)尚移動させるものの大きさ、量、場所によってMP消費量も変わります』と書いてあった。
「試しにあそこの木の実を移動させたんだけどさ…………メッッッッッチャ疲れる…MP7割持ってかれた…」
雪音が手に持っていたのは圭一が見つけた不思議な色の木の実だった。確かに木の実はそこそこ高い位置にあったけど7割も持っていかれるって…
「燃費が悪い上に使用できるものも限られてるって最悪じゃねえか!図鑑よりはましだけど!」
もう頼みの綱は圭一しかいない。せめて役に立つ能力なら…
「僕の能力は…料理だって。」
「「ダメだああああああああああああああああああ!!!」」
「僕は料理好きだから別にいいんだけど…」
最悪だ…俺は図鑑、雪音は燃費が悪い移動魔法、圭一は料理…コレで世界救えるか…?ワンチャン救え…いや無理だろどう考えても!!
「もうダメ…詰みだわ…グッバイ私の人生…」
「攻撃手段がないのがまた厄介だね…フライパンで殴る…駄目だ、料理の時にしか使えないみたい。」
「終わった…俺勇者にはなれねえ…」
こんな能力で世界を救えるわけがない。こんな能力を寄越した手紙の主を恨む俺たちだった。
終わった!異世界図鑑完!とはなりません。まだまだ続くのじゃ。
(続くかどうかは気力とテンション次第ですが)