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34 あやかし狩り 其の三


 俺は管狐。

 現在、ロボットと戦わされている。


「そこだ! パンチを打て!!」

「ヨウコ。尻尾だよ! 尻尾でぶつの〜!」


 ちょ、二人が倒すと言う選択肢は無いのか?

 このカクカクしたロボットは、旦那さんの部屋にあったプラモデルというオモチャだろ?

 人間みたいな動きで俺をパンチ、キックと攻撃してくる。

 今のところ避けているけど、俺の方が速いから、なんとかなるか。

 お父さんの指示のパンチは難しいから、お嬢ちゃんの命令通り、尻尾で殴ってみよう。


 このパンチを避けて……

 喰らえ!!


「おお!」

「やった〜〜〜!」


 ふう。

 動かなくなった。

 初めての勝利とは、嬉しいものだな。


「ヨウコ〜。よくやったね〜。ぎゅ〜」


 ああ。ありがとう。

 いきなり戦えと、投げ出された時にはどうなるかと思ったが、なんとかなるものだな。


「あ! またレベルアップだ〜」


 本当だ。

 だが、さっきとは違う。

 さっきは力だけがぐんと上がったが、今回は成長に近い感覚がある。

 体は大きくはなっていないが、中身が大きくなったような……


「また妖狐に一歩近付いたね!」


 近付かないから!


「え? ヨウコ。今、喋った?」


 聞こえたのか?


「うん! やっとヨウコとお喋り出来る〜」


 いや、いつも話し掛けて来ているだろ?


「返事が返って来ないのは寂しいんだよ」


 そうか……

 俺もお嬢ちゃんと意思疏通出来ないのは寂しかったから、お互い様だな。


「俺? ヨウコって男の子だったの?」


 そうだ。

 だから、名前を変えてくれないか?


「う〜ん。かわいいからこのままでいいんだけど……考えておくね」


 ホッ。やっと言えた。

 あと、俺は管狐……


「ひよりちゃんもヨウコちゃんも、もうすぐお昼だから、ここだけ片付けてしまいましょう」

「あ、は〜い!」


 いや、俺は管狐……


「ヨウコはあっちね〜」


 あ……体が勝手に……

 まぁこの話は、いつでも出来るよな。



 ………



「バーベキューだ〜!!」

「おう! いっぱい食えよ!」

「うん!」

「ヨウコちゃんはこっちね」

「いなり寿司! お姉さん。ありがとう!」

「あ、私にもハッキリ聞こえる。本当にレベルアップしたんだ」

「嬢ちゃんには驚かされてばかりだな」

「まさかあんな方法で、あやかしを退治出来るなんてね」

「長年修行を積んだ霊能者並みだ。しかも、あんな呪文でもない言葉で退治するなんてな」

「霊力だけで退治してるのかしら?」

「そうだろうな。管狐も無理矢理、力で使役してるんじゃないか?」

「元の霊能者の力を跳ね退けたのね。化け物並みの霊気量ね」


 おじさんとお姉さんは、何やらお嬢ちゃんについて話しているな。

 そんな事より、いなり寿司を……うまい!

 これはお姉さんが作ったのか?

 何個でもいける。


「ヨウコ。食べ過ぎ〜! また太っちゃうよ〜」

「あ、そんな殺生な……」

「むう……今日だけだよ?」

「ありがとう!」

「えへへ〜」

「どこからどうみてもお子様だな」

「ヨウコちゃんもね」

「「へ??」」


 なんの話だ?


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