Li.1-1 黒崎菜子は
別に、夜遅い時間という訳ではありません。
時計は普通に金曜の19:30を過ぎた所。
私は部屋で本を読みながらのんびり過ごしていると
手元の電話に着信が・・・
「・・・なんか嫌な予感」
画面に表示されている名前と
鳴り続ける電話。
「はぁ・・・(困)」
嫌な予感って不思議とハズレませんよね・・・
そう想いながら、諦めて電話に出ることに。
「もしもし」
「あっ! もしもしっ!?」
「一応聞くけど・・・」
「えっ? えっ???」
「今度は何を拾ったの?」
「(ギクッ!!)」
画面に表示された人物。
電話越しの人物。
一応、親友の黒崎菜子ですが
確か前回は・・・
「前回は、子鹿を拾ったよね!?」
「あっ、あれは・・・ ちゃんと森へ帰ったよ?」
「そうじゃなくてっ! 何でコンビニの帰りに子鹿っ!?」
「何でって私に言われても・・・(汗)」
本当に、何故か解らないけど菜子は変なのを拾ってきます。
逆に言えば、拾いたくても拾えないだろうモノばかり・・・
「それで? 今日は?」
「えっと・・・」
「もう何かを拾ったのは分かってるから」
「信じてくれるか分からないけど・・・」
「今度は子熊? それとも、ライオン?」
「そ、そう言うのじゃないけど・・・」
「なら、なにを拾ったの?」
「あのね・・・」
菜子が言い出しにくいのを察するに
また面倒なのを拾ったことは間違いないらしいですが
「何を拾ったの?」
「座敷童子って言うのかな???」
「はぁ?」
「私も初めて見るからだけど・・・」
「まぁ、座敷童子って普通そうだよね・・・ 座敷童子っ!?」
「和服姿の女の子で、髪の毛は白というか水色というか」
「・・・そうなの?」
「あと、瞳も人間とは違う感じがするかも」
「聞くからに、人間以外の何かって感じだね?」
「本物の座敷童子かな?」
「まぁ、私達じゃ本物も偽物も区別付けられないけどね」
「そうだよね(汗)」
電話で幾つかの要点を聞き
とりあえず・・・
今、菜子が居る場所は近いみたいなので
私も急いでその場へ向かうことに。
「座敷童子って・・・ 妖怪だよね???」