第三話 自分の家を探索してみた
絶賛表紙絵制作中(俺がじゃないけどな!)
心優しい方にみてみんでお頼みしました。よかったら楽しみにしておいてください。
「おいマジかよ、まだ準備出来てねぇっつーの!」
「鳥型はちょっと厳しいかもしれないッス」
「じゃあここは私の出番ってわけね。燃え上がれモンスター!」
鳥型のモンスターが燃え尽きるほどの火力は出ていなかったが、火に怯えたのか、遠くへと逃げていった。やばい凛めっちゃ頼もしい惚れてるけどもっと惚れそう。なんにしても簡単に追い払えてよかった。他のモンスターもこれくらいならいいんだけど……。
「危なかったわね……」
「やっぱりモンスターを倒せるほどの魔法は使えないみたいッスね。私のほうが絶対強いッス」
「はぁ? 追い払ったほうが楽だと思っただけなんですけど?」
けんかはやめろとか言いたいけどそんなこと言える立場じゃないしな……これくらいで済んでるならマシなほうか。いつか仲良くなってほしい……けど厳しいよな。俺のせいでしかないんだけどさ……。
「お腹すいたッスね」
「野垂れ死ねばいいのに……」
「えっ、えーっと、コンビニでも行くか? 店員とかもいなくなってるはずだし」
「とりあえずはそういうので大丈夫だと思うけど、食べ物が腐ってきたらどうする? 電気や水道も止まってるかもしれないし」
「それ止まったらやばくないか?」
「まあなんとかなるッス」
「楽観的でいいわね」
「そっちこそ心配しすぎッス、そんなに心配なら見に行けばいいじゃないッスか?」
「わかったわよ」
俺は凛についていこうとした、しかしカスミは俺の服の裾を引っ張り、引き止めた。なにそれ可愛い。でもなんでだ?
「どうしたッスか? 早く見てきてくださいッス。私達はここで色々調べとくッスから」
「なんであんたと新庄君を2人きりにしなきゃいけないのよ。そんなことさせるわけないでしょ?」
「マジうざいッス」
「そっちこそ」
「あーもうわかったからみんなで一緒に見に行こう。な?」
ということで、俺達は俺の家に入った。リビングに入ると、テレビが倒れていた。魔王が来た時に衝撃で倒れたのだろう。それ以外にも色々な物が倒れたりしていた。まるで地震が起きた後のようだ。これだったら震度5くらいかな。魔王がただ近くに来ただけでこんなに被害を受けるのかよ。ここに裸足で入ったら足の裏が切れたりして危なそうだな。靴は履いたまま上がるか。俺が2人にそれを提案すると、初めはそんなの家が汚れちゃうと渋っていたが、俺の家なんかよりみんなの安全方が大事だろ? と言うと、2人も靴を履いたままついてきてくれた。
部屋の電気は普通についたし、蛇口をひねったら水も出てきていた。だが、いつ止まるかはわからない。すぐ止まってしまう可能性だってある。それまでに食料、水の問題を解決させておかないとな。
「電気やガス、水道はとりあえず止まってなさそうだな」
「この感じなら冷凍食品とかも大丈夫そうね」
とりあえず食料だけなら1年はもつだろう。缶詰とかも考えたら数年は飢えて死ぬことはなさそうだな。だが、問題はその後だ。魔王やモンスターから逃げながら農業をしなければいけないなんてことになるかもしれない。しかもやっぱり美味しいものを食べたいっていうのもあるしな。
「なぁ、さっきのモンスターとかって焼いたら食べられないかな?」
「よかったッスね、役に立つ時が来ましたよ、ファイア(笑)の唯一の使い道が」
「はぁ? あんたさっきなんにもしてないじゃない」
「ファイアなんて唱えなかったら私が颯爽とあのモンスター倒してたッス」
「まあまあ、それよりマッドレイブ調べてみないか? まだ沢山項目あっただろ?」
「そうね」
「わかったッス」
俺達はマッドレイブを開く。相変わらずステータス画面は大きく表示されていたが、その上にメニュー欄のようなところがあった。そこをタップすると、メニューが開いた。
モンスター図鑑
特殊アイテム
スキル一覧
他のマッドレイブと同期する
とりあえず上から見ていくか。俺はモンスター図鑑というところをタップした。すると、何も出てこなかった。
「モンスター図鑑ってモンスターを倒したりしたら解放されるのかな?」
「そうかもしれないッスね。まだなにも出てこなかったッスので」
俺はその下の特殊アイテムというところをタップした。予想通りになにも出てこなかった。特殊アイテムってことは爆弾とかなのかな? それとも魔力を増やすアイテムとかかな? 魔力って概念があるのかはわからないが。
「特殊アイテムも同じだな」
スキル一覧もタップするが、なにも出てこなかった。結局情報的には何もわからなかった。使えねぇ。
「あっ、スキル一覧にファイアってあるわ」
「こっちは木を剣に変える能力ってあるッス」
「マジか、俺はなんにも出てこなかった」
「スキルを獲得していると出てくるッスかね? スキルの内容が書いてあるッス」
「見せてくれ」
「いいッスけど多分マッドレイブを同期するってしたら見れるようになると思うッスよ?」
なるほどな。たしかに同期したらデータが共有されるってことだもんな。ということで、俺は他のマッドレイブと同期するというところをタップした。すると、《同期したいマッドレイブをかざしてください》と音声が流れてきた。言う通りにしてふたりのマッドレイブをかざしてもらうと、《岡崎凛様、及び新井カスミ様のマッドレイブとの同期が完了致しました》と音声が流れてきた。
スキル一覧を開くとファイアと木を剣に変える能力が表示された。俺も早くスキル欲しいな……。