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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第7節 対神編―龍神
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どんな猛者にも頭の上がらない人はいる

「おぉ……これはアウラ様」


「……その反応はなんじゃ、あんな風に聞くものだからどうせいると思ったぞ」


「左様で……」


 珍しくここにきてグスタフが気まずそうな顔をしている。


「あの、アウラ様。このことはどうか姫様にはご内密に……」


「ほう?……まぁよい聞かれない限りは。じゃがな」


 何やらその姫様というやつには頭が上がらないようなのがとってうかがえる。あの化け物を従えているのだから想像を絶する強さの世界があるということか。間違っても今の戦力で相手にはしたくない。


 しかしアウラ、要するに創造主とほぼ同列がなぜ自分、あるいは木の葉、グスタフを追っているのか。しかもどうやらこの二人は面識があるようだ。最悪俺を消しに来たと思ってもあながち間違いでないかもしれない。


「……なんで来たんだ?……消しに来たか」


「はて、何のことかの……それに私がお主を消すならそもそももう既に出会う前に消しておるわ……私の目的はそっちのちっこいのじゃよ」


 そう言って木の葉を見つめた時の視線は凍るように冷たく、それでいて揺らめきながらも眩しい輝きを放つ瞳で見つめていた。


「……お主だな、動くでない」


「えっ………」


「動くでないと言った」


 暫く無言の空間がそこには続く、口を出せばその場でそこにいる神に消されるかもしれないという圧がそこにはあった。決してアウラが他の物に触れることはない、触れることはなくてもその神の意思一つで存在ごと消し飛ぶのだ。


 時間が経てばそれに伴って次第に木々の擦れる音と呼吸音だけが聞こえてくる。


 アウラが空気を打ち砕いたのは十分程経ってからだった。崩れた合図は瞳の光の消失とともに訪れる。


「……なるほどのう……まぁ大丈夫じゃろ、すまんかったな」


「えっと、これは……一体」


「まぁ気にするでない、これ以上の干渉はせんよ」


 空気を無理やりなごませるかのように笑い声を作る。

……正直な所このアウラという神は全くわからん、男のように干渉しないと思っていたのだが今回は容赦なく手出ししてきた。過去に一度見たことがあったがこちらは主神出ないことは覚えている。それに最初に創り出された時は何も無い大地で暴れろというものであったがその時と姿も違う。

そしてこれは気のせいかもしれないが男とはかなり目が違う。なんの目かすら把握していないがどう見ても男より全能に見える。


「……何時から追ってきていた?」


「お主が前に逃げた感染した魔物がおったろう、あの時そこのグスタフが気にしてたからのう、私も気になって見てたんじゃが一度呼ばれてな?それから戻ってこうやってきたわけじゃ……でそうじゃった。グスタフ、大事な大事な姫様からお呼び出しじゃ。」


「やや、それは失礼致した……ではこれにて」


 城の方を向くと瞬く間に消えた。いや、魔力の流れは無かったから転移魔法でも無く、消失でもなくただ高速で動いたのだろう。


「……全く……いくら創造主が身内みたいじゃったからとてここでも同じように頼み事に使わんでほしいのう……有難味が薄れるじゃろうて……」


「……ならわざわざ律儀にこなさなければいいだろう?そうやって従うから有難味が無くなるんだろうが」


 そう言われると流石に痛いところを突かれたのか苦笑いして話を流された、「それはその通り何じゃが昔からの癖でな」とか抜かしているあたり過去にも心当たりはあるのだろう。


「まぁ内容が内容故な……折角だからお主にも説明しようかの、あの類のやつの上位個体が居るんじゃがちと厄介でな、まぁすぐに個体同士で情報を共有して耐性を得るという非常に面倒な奴なんじゃよ」


「そんなまた結滞な奴らが何だって言うんだ、相手しなければいいだけの話だろう」


「……それで済ましては良くないんじゃよ」


 何か理由があって相手しなくてはならないらしい、そもそも【守護者】を駆り出し創造主自ら対応してるのだからそういう輩なんだろう。

考えてみれば上の連中が唯一手出ししているのはこれぐらいではないだろうか。


「……そもそも滅ぼしたいならそいつの生態系を崩せばいいだろ、なんで現れるたびに狩るなんて面倒な手を踏んでるんだ」


 それを聞いて驚いた様子のアウラ、そうかこれがあったかとでも言いそうな顔である。ワンテンポ挟んでから腹を抱えて笑い始めた。


「はっ、いや、お主。なかなかに愉快な奴よの……確かにそうじゃな、滅ぼすときは丸ごと相手しなきゃならんな……いや、今ならできるかの……?」


 突然しらけたと思えば何か真剣な目で悩みこんでいる。


「笑ったり悩んだり忙しいな」


「まぁそういうな、案外大事なことじゃ……はて、しかし……私がやっていいものか……とりあえず話はしておくかの……【厄災】、ことと次第によっては感謝するぞ」


 アウラは腹を抱えて笑い出したと思えばふと何かに気が付いたように悩みこみそのままさらっと帰ってしまった。ぽつりとアウラを何か理解していない木の葉と【厄災】が取り残された。

ちょっと二日ほど書けるか怪しいほど忙しくなるのでまた1日開くと思います

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