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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第7節 対神編―龍神
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都合がよければ消されない

――研究室、ここでは今男とトールが世界を見守っている。


「創造主様、件の【厄災】の言動、どういたしましょう?」


「……世界を壊さない限り隙にさせておこう、むしろそれで積極的に仕事をしてくれるならいいに越したことはない」


「そうですか、では【守護者】には今まで通りの対処でいいですね?」


「あぁ……それでいい」


 実に【厄災】は面白い。世界をわが物にしてくれるとまで言うとは……むしろそれにどれだけ人々が抗ってくれるか、どれだけ発展してくれるかがカギだろう。あまりにも駆逐が進むようなら腰を上げなくてはならないがそれはアウラとマキナが確認してくれている。


「ところでトール、例の【魔族】だが……」


「あの木の葉の精の事でございましょうか。あれでしたら特に気にすることはないかと、そもそも住人が作りあげた新しい住人なぞこれまでもあったではありませんか」


 確かにこれまで【魔製人形】をはじめとしてほぼ種族として出来上がった者どもが存在する。しかし今回はおとなしそうなものではないのだ。しかしそれでも我々は積極的に予防と称して介入するべきではない。


「今回も排除しようとせずに来るものすべてに門を開くべきかと」


「まぁ……それができて何を起きなければすばらしいがな」


 ひとまず彼らが例の侵略者を駆逐するかどうかが対応の境目だったのだがそのまま倒してしまったので迎え入れることにしよう。



――一方当の彼らは……


「魔力!もっとおいしい魔力頂戴!」


「良いぞ、そこら一帯すべてお前が喰え!」


 今一派は手当たり次第に例の侵略者を食い荒らしている。木の葉曰く「ピリピリするがおいしい方なので喰えるに越したことはない」というなんともな理由であった。【厄災】も決して世界を守ってるという意識などなく、ただこれで部下が従うのなら安いものだとついて行っているだけであった。加えて言えば喰わせるだけで競合してる相手が減るのだから一石二鳥というわけだ。


 植物が生える地面さえあれば不毛の地だろうと関係ない、圧倒的制圧力の前にみるみるうちに侵略者どもは木の葉のご飯となった。


「んー……慣れると案外このピリピリ感も悪くないかも」


「……そのうち耐性でもつくだろ」


「そしたらただおいしいだけだから満足だね……ところで口直しに魔力頂戴」


 自分の魔力結晶を喰った時は悲惨なことになっていたというのにまた求めるか。そういえばグスタフも強いから襲わないと言っていたしもしかすればそっちでもいいのではないか?


「なぁグスタフ……今度はお前がやってくれよ、そしたらこれに加担した分とチャラで」


「……少しだぞ、お主と違って有限だからな」


 少し悩んだのちに呆れたように両手を合わせて軽く力をいれた。

そのまま開いてみれば確かにそこには結晶が出来上がっていた……つまりあの時の作り方は偶然正しいのを引き当てたというわけだ、知らないのがバレなくて……とりあえず良しとしよう。


 ただ一つ気になったのはその大きさだ、自分のはそれこそ拳ほどのサイズだったのだが、それより二回りほど小さい。おそらく消費魔力の関係だろうか。だれも気にすることなく結晶は手渡された。


「ほれ……これっきりだぞ」

 

 もらった結晶をそのままぱくり。自分の時とは違って普通においしそうにしている。


「んー!九十点!……ん?……あ、あー……」

 

 何かまずいものでも混ざっていたかのように次第に木の葉の顔色が青くなった。


「ん?どうした」


「訂正、七十五点、何か変な後味が……うぅ」


 終いにはそのまま伏してしまった。グスタフにつくらせれば自分の手間が浮くと思っていたのだが……仕方ないのでその場で自分でも結晶を作りそのまま木の葉の口にねじ込んだ。


「ほれ、起きろ」


「んむむむむむ?!」


 付してる状態を反らされそのまま口をふさぐように結晶を詰め込まれたのだから当然の反応を示す。しかし【厄災】の知る処ではない。そのままねじ込まれた結晶が消えていくにしたがって前回のようにまた紅潮させる。


「どうだ、口直しにはなっただろう」


「は、はひ……」


 なぜか毎回毎回俺の結晶を食べるたびに変な反応を示す。これで五度目だ、さすがに毎回あのようになられるのも困るので尋ねてみたところ「実際にはお腹が膨れてるわけではないんですが感覚的にふくらまさせられる」と言っていた。非常によくわからない表現であるが食欲が過剰なまでに満たされるのだそうだ。

しかし補給するたびにしばらく使い物にならなくなるのはデメリットには変わりない。今回に限って言えば俺がグスタフのを喰わせたが故に動けなくなったから仕方のないことではあるのだが……


「……なぁ、その反応なんとかならんのか」


「……結晶のひょうをどうにかしてくだひゃい……」


 木の葉が耐性を得るか、俺が結晶をどうにかするか……そんなことを考えていた時である。


「……なんだグスタフもおったのか、何をしておる」

寝落ち時にPCのケーブルごと引っこ抜きましてね


あとはお察しですよ

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