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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第7節 対神編―龍神
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森の【魔族】

「魔力、頂戴?」


「断る。自分の魔力ぐらい自分で賄え」


一体何度繰り返しただろうか。


 とりあえず目の前のこの小さな【魔族】は自分の目の前で先程から魔力を要求してくる。それだけの魔力を持ちながらまだ要求するとは一体どういうことか。


 全身緑の……葉のようなもので身を包んだそれは今のところ危険な行動は示していない。……ただ、これは本人に限っての話だ。


 周囲の植物を動かしだし始めたというのが現状の問題である、恐ろしい速度で周囲の植物を育て始め生きているかのように動き出す。何も無い土の面ですら植物で隙間もない程にする。言うなれば自然操作とでも言うレベルだ。唯一の救いは自我がありまだ話が出来るぐらいか。


「魔力、足りない」


「……魔力がそんなに欲しいなら周りの植物から分けてもらえ」


「もうやってる、足りない」


 そんな会話を重ねながらこれをどうするかを悩み込む。その時だ。


 どこからとも無くあの時の魔物が湧き上がってきた。手駒にしてやろうとしていた侵略者だかなんだかだ。


 手駒にならぬ上に我が道を遮るというのだからもはや潰す以外の価値はなくなった。色々と変な事態になっていてこちらとしても迷惑だ。いかに潰してくれよう。


 これまで会話を黙って聞いていたグスタフも流石にこれを見るや否や敵に突っ込んでいった。彼の位置は知ろうとしなくても衝撃なり爆風なりですぐに位置がわかる。見れば見るほどどこの住人か恐ろしくなる。


 しかしこの光景は他の【守護者】が駆けつける前に終わることになる。


「魔力、もっと頂戴?」


 この言葉とともに森が動いた。ざわめいたとかではない。文字通り動いたのだ。

木々から枝、根が伸び、その魔物を貫いていく。地面の枯葉は巻き上がり魔物を切り刻んでいく、そして根は大地から伸びて魔物を締め上げ地面に血の華が咲き乱れる。それを楽しそうに見つめながら一言ぽつりと。


「んー……六十点。美味しかった。けどなんかピリピリする。」



 まぁ……世界の異物の魔力まで食い尽くしたのだから拒否反応かなにかだろう。それにしても十分すぎる殲滅力である。隠密性、被弾リスク、攻撃手段の多様性は素晴らしい。グスタフは育てろと言ったが実際面倒事なしにこれは戦力ではないだろうか。


「なぁお前……人間共は憎いか?」


「ん?魔力をくれるなら何であっても憎くない、そもそも人間は弱くて美味しくなさそう」


 美味しい……強い相手ほど魔力が多い、それが喰いたい訳か。

しかし俺とグスタフには襲いかからなかった、どういう事だろうか?


「俺とグスタフには何故襲ってこない?」


「貴方はわざわざ強い人から御飯を奪う?」


 まぁ当然というかそれを理解している点もなお良し。配下として手にいれたいところだ。


「そうだな……でもそれを欲しいかは別だろう?」


「それはもちろん」


「なら喰わせてやるからそれまで従え」


「……見返りが従うに値しない。もっと」


……知能があるとこれがあることを忘れていた。いや、確かに生命を作ったというのはそこまででそこに恩義も何も無い……産んでやったから何、というやつだ。向こうからすれば100点かどうかも分からないものがすぐにて入る訳でもないし稀に八割や何かがあればいい程度である現状を捨てて不明な期間束縛されるのはマイナスでしかない。魔物は「餌をやるから来い」ぐらいでいいのだがこう言った点が【魔族】と魔物の境目でもあろうか。


……仕方ない、今回は身を切るか。


「ならそうだな……お……いや我の魔力を定期的に喰わせてやろう、試しに今この場で喰っても許す」


 なぜか非常に怪しみの篭った目を向けられた。なにか要求を読み間違えただろうか?


「……洗脳や毒は込めてない?」


 ふむ、怪しむ点はそこか。そこに気がつくとは……しかしどうやってそれを示せと言うのか。


「すまないが我は示し方を知らん、ただこの身を以てその類を仕掛けてないことは誓おう」


……そもそもやり方を知らないからな。


「……ならあなたの魔力をこの場で結晶にして」


 はて、それもやり方を知らん。流石にこれ以上呆れられると交渉に不利なので適当にやってみる事にした。目の前に魔力を練りだして圧縮する。


……案外簡単に結晶になるものですぐに拳ほどの結晶が出来上がった。


「……ほらこれでどうだ」


 そのままその結晶を投げ渡す。始めは当然疑うように色々とひっくり返したりまわしてみたりして眺めていたがしばらくするとそれをそのまま飲み込んだ。

最初は美味そうにしていたのだが……何か舌でも噛んだような顔をしたあと赤らんでその場に崩れ落ちてしまった。


「……変にゃの混ざってりゅ……な、なにこりぇ……」


 呂律も回っていない。様子が変だが俺は一切手は加えていないし変なものも混ぜていないので間違っても俺のせいじゃない。


「毒なんか入ってなかったろう?……これを定期的にやるぞ、従うか?」


「は、はひ……でもこんな刺激的なのこまりまひゅ……もっと優しく……」


――まぁこれでほしい駒を一つ手に入れた。周辺の例の侵略者もグスタフとこいつがいる限り特に気にする必要もなくなるだろう。

100pt超えたんですよ。ばんじゃい


執筆中にデータ飛ばしました。ごめぬね

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