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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第6節 対神編―Aura
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混乱と謎と今後の課題と

「あちらを見に行かねばならんのだが……この体だけでは足りぬのう……増やすかの……」


 そう言って簡単に分身、ほぼ同じ存在を増やせるのだからさすが神様だ。と言っても増やした分身はまさに本来のあの人のような形のモノなのだが。


「********」

「お?どうだ私よ、久々じゃな」

「****」

「それは良かった、で約束を破るようで悪いんじゃが……」

「******」

「すまんのう……では頼むぞ。とその前に……」


 腕と顔を直してから行こう。適当に汚れは付けておけばとりあえず大丈夫じゃろ。

ユラの魔術らしきものが感じられる方へとかけていく、もちろん飛んだり壁を抜けたりなんてしないようにだ、不便だができる限り人らしくしておこう。

ただ次第に近づくにつれてユラ以外の気配が一気に増える、避難所になっているというのだから当然ではあるのだがその気配の内容にいいものを感じなかった。


「ユラよ、無事か?」

「おお、アウラ様、ご無事でしたか」

「うむ、しかし……これは……」

「まぁ仕方ありません 元々・・種族同士で嫌ってる者もおりましたから……こう不安になってはそういうのを原因にしたがるものですな……」

「そ、そうか……」


 そう言って生徒の方へ目をやれば【エルフ】が【ドワーフ】から離れて集まっていたり【獣人】が他種族に疑いの目を向けていたり【ニンフ】と【デミ・ヒューマン】を【ヒューマン】が嫌っているようだったり……以前の和やかな空気は存在していなかった。しかし中には間に立つ者もいるようだが、やはりどういう事だろうか。見たところユラも特に影響を本人は受けてないように見えるが……


「なぁユラよ」

「何でございましょう?」

「……お主は生徒のように嫌悪は抱かないのかの?」

「まさか、とんでもない!どんな種族であってもここは学びの場、学びに種族は関係ありませんぞ、それはここの教師である以上皆同じだと信じております」

「うむ……それが聞けて何よりじゃよ」


 ユラの言葉で何となく把握した、恐らくこの種族間で普通にしていられるのは元々の相手への印象によって、種族を嫌う前に個々として接し会えているようだ。

元から嫌っていればより種族を理由に嫌うと言った流れだろう。


「ところでアウラ様、ラスティナはどうしましたかな?」

「あー……残念じゃが彼は……」

「そうですか……これで教師含めて六人ですな、ダンよ、後で連絡の用意を」

「はい、分かりました」


 まだこの世界には鉄筋コンクリートなどといった建材は存在していない、故にビビが入りさらに力がかかればあっという間に崩れ落ちる。それに巻き込まれればいくら魔法を使おうと死ぬ時は死ぬ。


 いや、むしろこういう様式でそれだけに収まったことは讃えるべきじゃろか……しかし内部で爆発すれば鉄筋コンクリートだろうと石造りだろうと関係ないのう。


「……この後お主はどうするのじゃ?」

「そうですなぁ……ここを直すだけ直して普段通り……となれば理想ですがの」


 そう言って壊れた学舎を物悲しそうに眺めるユラをみてアウラはとりあえず何とかしておこうと思った。


「なんじゃ。修繕すれば授業するのか?」

「生徒がいる限り教えるつもりでしたからのう……アウラ様?」


 ここには生徒もいるので先ほどのようには行かない、形式だけ錬成と同じように手を地面へ置いた。


『我世界に代わりて、万物を生み出す ……あぁやはり面倒、とりあえずこうじゃ!』


 まさに創造の無駄使い、見る見るうちに建物が直っていく、ついでに周囲の街も直っていった。

久々にアウラの力の鱗片を見た者は驚きと懐かしさを覚えただろう。


「……すっかりアウラ様の力の程を忘れておりましたぞ……」

「ほれ……今回は特別に大盤振る舞いじゃ、これで授業はある程度問題なかろう、ただ私自体はちょいとこの騒ぎの為に離れなくてはならんがの……あぁそうじゃ、一つ頼みがあるんじゃが……よいかの?」


 そう言いながらほんの少し学園の地下に変更を加えた。少しばかり厄介じゃがここに仕舞うことにしよう。


「……この建物の恩といい色々ありますからな、何でも申し付けくだされ」

「半身を置いていく。隠し通せ」


 その言い方に何かを感じたらしい、深々と頭を下げ膝をつく。


「……わかりました、この老いぼれの命尽きるまで」

「ん?……あぁそれは気にするな、それまでにはなんとかするからのう」


 すっかり寿命のことを忘れておったわ。

軽く半身についてと改変した学園地下についてユラに説明した後さっさとここを出て元凶漁りに出ることにした。


「……まぁなんじゃ。しばらく世話になったの」


 そう言ってアウラは学園を後にした。



 とりあえずここの【守護者】は皆まだまだ青二才、このような事態の対応は知らぬだろうし当てにはならん。


「……いや、そやつらに対応を教えなくてはならんのか?」


 何にせよ私にとって面白い場であったここをこのような理由で離れることになるとは残念じゃ……むしろ腹いせに捕まえて創造主同士らしくひねり潰してやろうかの。


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