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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第5節 厄災編
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魂を探して

「さて……まずはアイギスを探さなくてはならないね」


 アイギス・ベルフェゴール、レヴィアと同じ魔将軍にして死神、魂の管理人。

ルルイエ確認をすればどうやらルルイエのほうにはいないらしく目的の前に彼女を探さなくてはならない。


「そのアイギスさんはどんな人なんですか?」

「んーそうだねぇ……年下の同僚かな?」

「同僚……?」

「うん、同僚。見た目は君と同世代ぐらいだけどね。」


 しかし上限のない者を探すよりは簡単とはいえその間この娘をどうしようかという問題が出てきた。

恐らく私がいなくても死ぬことはないだろう、しかしここ最近の城の【魔法使い】の焦り様を考えると何があるかわからない、かと言って連れていくのも……


「レヴィアさん、私もついて行ったらダメですか?」

「それはダメだね、まだ君はそういう所に踏み入れられるほど強くない。」


……これは半分嘘だ、別に行くだけで死ぬなんてことは無い。それに私が守ればいいだけだ。それでも嘘をつかなくてはならないのはアイギスが死神であることに尽きる。

 彼女は真面目に仕事をこなす、私が人を連れてきても仕事対象として扱おうとするだろう、ついでにこの娘を対価で要求されたら困るのだ。しょんぼりする彼女を慰めつつ仕方なくここに彼女を置いていくことにする。


「心配だけど一人で行ってくるか……」

「やっぱりレヴィアさんは強いところにいるんですね……」

「それは仕方の無いことかな……代わりに連絡する手段を置いていくからそれで待っててくれるかい?」

「はーい……」

「まぁすぐ戻るからさ、いい子にしていれば新しいものを教えてあげよう」


この娘に何が起きる前にことを済ませてしまおう。



「まぁ城じゃなければここだよねぇ……アイギス?いるかい?」

「ん、レヴィア……元気、してた?」

「してたしてた。そっちはどうだい?」

「仕事、増えた……ちょっとだけ、大変」


 先程まで戦地だった場所に向かってみればほの中央にぽつんとアイギスは立っていた。彼女は今まさに仕事中である。アイギスの仕事、というより彼女の糧は魂をあるべき所へ誘導することでその時にほんの少しだけ分けてもらう事で彼女は生きている。そんな彼女が大変だというのだからかなり大量に人が死んでいるのだろう。


 アイギスの周囲にふよふよ浮いていた塊が無くなるまでとりあえずのんびりと待つ、仕事や食事の邪魔をしてはならないのは昔から彼らの当然の感覚であった。


「待っててくれたのね、感謝……ところで、要件、教えて?」

「当たり前じゃないか、実はな……」



「という訳なんだけど……そういうのいなかったかな?」


 今回の企みはアイギスにそういった魂がいなかったか確認し居たらもう一度現界させてしまおうという作戦だ。


「いたことには……いた。でも……」

「ん?何か問題が?」

「勝手に蘇らせる、良くない……前例、ない」

「あー……」


 アイギスの言う通りである。要するに死者蘇生に当たるそれは姫が私たちを呼び戻すのとは訳が違う。一人とはいえそれで狂えば何をされるか分かったものではない。


「……許可、取りに行く?」

「いんや、後で私が行ってくるよ……アイギスは探してほしいな」

「わかった、じゃあ……これ」


……事後承諾でも大丈夫かと言われれば怪しい。最悪向こうの世界には人造人間みたいなものもあるし作り替えてしまえばセーフかもしれない。これも強者が出にくい環境設定が悪いのだ。


再びアイギスの周囲には浮遊する塊が現れ次第に数が増えていく。


「……どれ?」

「そ、そんなにあるのね……」

「……全部すぐ死んでしまった子供たち……環境、良くない……」

「なるほど、通りで見つからない訳だよ……ついでにこれなら許可は取らなくても大丈夫そうだね……適当に上から三人ぐらい頼むよ」

「……わかった、けど……その選び方、気を付けて」


 最後にアイギスに忠告を受けてしまったがならどう選べというんだとぼやかざるを得なかった、何せ明らかにその気は数十以上の塊が見えているのだ。蘇らせてしまえば当然衣食住が必要になってくる上にそれらすべて生まれたての子供であるならば鍛える以外にも教育しなくてはならない。今のレヴィアを含めた周囲にそんな余裕はないのだ。


「アイギス、言いたいことはわかるが今の私にはそんな赤子の面倒まで見る余裕はない」

「……わかってる、でもほかに、いる」

「……? ほかにだれが面倒みるっていうんだい?」

「……クソ上司と【騎士】……」


 突然の指名にレヴィアは噴き出した、アイギスの場合こういうことを無表情でさらっと告げてくるから精神によろしくない。しかしながらどこでその呼び方を聞いたというのか。この言い方を知っているということはどこかで聞いてた可能性があるわけで……それならもっと前から手伝ってくれてもいいじゃないか……


「な、なんでその呼び方を知ってるのか聞いてもいいかな?」

「……中に関係者、いた……そういう人にも、手伝わせる」

「なるほどねぇ……」


……この最近で子を持とうとしたという【騎士】ならばそのための蓄えもあるし余裕もあるだろうというわけか

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