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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第5節 厄災編
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魔将軍レヴィアタン

「あの娘が起きる前に済ませておかないと」


 あの娘がおきたらこれまで通りでなくてはならない。

それまでにこのよどんだ感情を流してしまおう。


 久々にルルイエのいる所、新しい魔界までたどり着く、普段なら姫様を探して挨拶をする所だが今回はすぐ戻る上に事情がある、こっそり帰って日を改めた時に挨拶すればいいか。


 案外その目的のものはすぐに見つかった。

城を出ていった時もしていたが今日もまだやっていたらしい。中庭に剣同士が激しくぶつかる音が響いていた。どうやら今も同じようにグスタフとメビウスがやり合っている。

過去との違いといえば若干メビウスが人らしい打ち方をするようになった事だろうか。


「グスタフ様?その【勇者】借りても?」

「……レヴィアか、構わぬが……メビウスは?」


 私のこの状態を見抜いたグスタフは半分呆れたように私を見ているが仕方ない。ま、まぁまだほかの世界を壊しにかかってないだけ許して欲しいところだよ……


「えっと……いったい僕にどういう用が……」

「……あなたにはまだケジメの一発、果たしてなかったよね」

「え、えーと確かにそうだけど……まさか、今?」

「ええ、今。それを使い果たす時が来たの」


 気がつけばグスタフは中庭と建物の境目の通路まで引っ込んでいる、どうぞご自由にとでも言っているようだ。遺恨を残さないための取り決めをこのように利用するとは思ってもいなかったメビウスだがまだレヴィアは一度も使用してないので断ることはしない。


「……まぁ……そういう約束になったからどうぞ。」

「悪いね、感謝するよ!」


 メビウスはこれまで全く違う気質の彼女から一度殺したあの日と同じ彼女を久々に見た。



 彼女が元に戻った時、メビウス自身の復元が終わるまでは数分しかかからない程度であった。


「やはり【勇者】は異常だよ……アレを無効化するのにたった数分なんて……」

「攻撃に一切力を割いてませんからね、僕と貴方が戦った時はもう少しかかってましたよ。」

「それは余計癪に障るね……」


 そういえば、この【勇者】は私の姿には特段言及しない……あの娘の代わりに聞いてみるのもいいかも。


「ねぇ【勇者】。私のこの尾ひれ、変身や幻視を使わずになんとか出来るとしたらした方がいいのかい?」

「……レヴィアさんは気にしてなかったと思ってたんですが気にしてるんですか?」

「私じゃないけど気にする子がいたんだよ、むしろ私は見せてないといけないぐらいなんだけど」


 そう言われてジーッとレヴィアの尾ひれを眺めるメビウスであるが一見すると変な光景である。


「なるほど……?じゃあスカートとかどうですか?」

「それだと隠しちゃうでしょ、幻視と一緒だよ


 見せなきゃいけない理由を話してくれなくては提案しようがないではないかとぼやきつつメビウスは相手をし続ける。


「……そう言えばレヴィアさんは服はいらない様な種族なんですか?」

「むしろない方が有難いぐらいだよ?今のこれだって姫がずっと付けてなさいなんて言わなかったら付けてないよ」


 そう言って無い胸を張るレヴィア。彼女曰く魚に胸なんてあるわけないじゃないと当たり前のように言うがでは何故人型なんだとメビウスは疑問に思うばかり。

……そう言えば当人もその人とやらも自分がきにしているのではなく他人の目を気にしている、ここに着目するべきではないか。


「レヴィアさん、前以外だけ覆えばいいのでは?」

「はい?前以外……?」


 メビウスの折衷案はレヴィアには好評だったがルルイエにはかなり不評だったようでそれから暫くのことメビウスの相手はルルイエだったそうな。



 少女の家に戻ればまだ眠っていたし、特段その後に響くことも無かった。


 少女との一件が済めば少女を鍛える傍ら次は宣言してしまった素質のある住人探しである。

鍛えられる上限には性別も種族も血統も一切関係ないが出来れば若い方がいい、本人が上限の無さに気が付いて常に鍛える様な者でなければこちらで鍛える必要があるからだ。時間は有限であるがゆえにより余裕のある方がいい。


「……まぁこの子は隠すとして……もう一人ぐらい見つかるといいかな……」

「え?私、隠されちゃうんですか……?」

「君が強くなれるっていうことだけ。別に人の知らないところへ連れていくなんてことはしないよ?」


 とはいうが簡単に見つかるわけがない。そもそも上限が高い者は希少なのだ、それにもかかわらずアウレリア国内で探すというのだから余計見つかるわけがない。

……実際のところ私以外のアウレリアの人間は今のところ見分け方すらわかっていないようなので適当な人物をみつくろってもその場しのぎならできるとは思うのだがバレたときに何が起きるかわかったものではない。


「……他の国からも探して攫ってくるのも手だけどそんなことしたら姫に何言われるか……ああもう寿命の短さも邪魔だね……ん?寿命……それだ」

「レヴィアさん……?」


 あぁなんて便利なんだろう。上限は存在に由来するのだから鍛える間にさえ寿命の期間が重なっていればいい。……あぁ自分だけで探すのなんて初めから面倒ですもの、ちょーっと何かと引き換えに頼んでやってもらおう。


「……ねぇ、貴方。どんな子が来ても大丈夫?」

「え、えっと……たぶん大丈夫……いや、きっと大丈夫にしてみせます!」

「よし、いい子だね……できる限り善処するけどなにかあったらごめんね?」


――さぁ行動あるのみ。

レヴィアの口調がアスタリアと入れ替わっていた事に27日の朝に気が付きましてここ数話に渡って改稿しました。

レヴィアの印象が固定されてしまった読者には非常に申し訳ありません、内容自体は一切変わらないので改稿したら再度見ていただけるとありがたいです。

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