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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第4節 神様教師編
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違和感の始まり

 エルフの少女がこちらを不思議そうに見ている!

どうしますか? 

         →・理由を尋ねる

          ・次の授業へ追い払う

 

「ん?どうしたのかの。みんなはもう次の授業へいったじゃろ?わからないことは後で聞いてくれてもよいぞ?」

「せ、先生……先生も気が付かなかったみたいだけどその子……」

「ん?この子か?まぁちゃんと形は作ってしまったからのう……まぁ教室の目印みたいなものじゃろ。」


 まだこの子は生きていると思っているらしいのう……はて触らせても納得しないとなるとどう説得するか……いやまてよ、そういえば最初にあった時にユラの奴は面白いものを動かしておったではないか。


「おぬし、【魔製人形】というのは知っておるか?」

「え、えぇ使役の授業のペトラさんが……」

「ふむ。なら話は早い。生き物を人形にはできぬからな、逆にそうでなければできる……まぁこれを【魔製人形】にしたら信じてくれんかの?ほれ。『我が魔力を以て 自我を為せ ――』」


 そうすると錬成で作った人型の目が開きこちらをじっと見ている。

……ふむ、実践は錬成の研究時以来じゃったが問題ない様じゃ。今回は特にしゃべるようにもしておらんしただ人形にしただけじゃが……


「……アウラ様。おはようございます。」

「っ?!お、おはよう……?」


……どこか間違えたかの。気のせいじゃなければ目の前のこれがしゃべっておる。とりあえず原因究明はあとじゃ、これでまずこの少女を返さねば……

と丁度いいところに彼女を心配してきたのだろう、数人の生徒が戻ってきた。


「サラ?何かあった?もう次の授業の席なくなっちゃうよ?」

「あ、ごめん。今行くね。えっとせ、先生ありがとうございました。」


 やっとサラも周囲の友人に手を貸されつつ席を立ち荷物をまとめていく。


「気にするな、これも教師の役目故な……ほれ心配されてるではないか、続きは今度じゃ。行った行った。」

「は、はい。きゃあっ?!ちょっとま、待ってよ。」

「ほら遅れちゃうよ!先生、また今度ねー!」


 友人に手を引っ張られるようにして教室を去って行った。

 これでやっと部屋には私とこのなぜか喋る【魔製人形】だけである。


「…………」

「【魔製人形】、現在の魔力量を言うてみよ。」

「現在四千、最大量は五千です。」


 どうやら作るときに魔力を流し込み過ぎた様じゃな。それにしても【魔製人形】にして喋るようになると見た目は【ヒューマン】の男となんら変わりないのう……

 まずは魔力を自前で用意できない仕様を利用してとりあえず停止させるかの。


「そうじゃな……お主、とりあえず錬成してみよ。」

「わかりました。『我世界に代わりて、万物を生み出す――』」


 手をかざして何か形作っていく。彼が何を創るかによってある程度の自我の方向性が読めるのじゃが……しかしながら生まれたてですぐに錬成が使える時点でさすが私の作った【魔製人形】であるのう。

 しばらくすると彼の魔力が尽きたらしくがくりと崩れ落ちた。錬成も途中の状態で状態を見るに六割完成したかどうかじゃろうな。


「……剣か。しかし刃がボロボロじゃな。」


 教室のど真ん中に未完成の剣とそれを創ろうとして魔力を使い切った【魔力人形】のガワ。これをみられると何をしていたといわれるかわからないのでとりあえず彼を元いたところに座らせ剣を解体しようとした時である。

 ドアを開けずに部屋に人影が現れた。にこやかに笑っているソレは例の男である。


「神様、思ったより適応が早いようで。」

「これでも神様じゃからのう……して、なぜ来た?まさかもう終わりとでもいうまい。」

「ええ、もう少しの間は人の身でいていただきます。いや今回は意見を伺いたくて。」

 

 男は正にこの世界の創造主なのだから基本的に何をやろうと私と違い彼の自由だ。しかしこうして現れたということは経験的話か発想を求めている、あるいは私の世界について何か大事な案件だろうと思いつつ話を聞いてみればやはりそれに準じたものであった。



「ふむ……修復か。」

「えぇ、ここ最近増えておりまして……神様の時はどうしたのでしょうか?」

「私の時か……最初は能力の高いまさに全能神みたいなのを創ったんじゃがそやつが直してる間に壊れるという事態が増えてなぁ……とりあえず一柱一象みたいにして量産してそれを管理する感じにしたんじゃったかのう……今はちょいと違うんじゃがな。そんなことも起きなくなってしまって変えてしまったんよ。」


 まぁ、だからと言ってその守り手を消したわけではないから今でも司っておるぞとアウラは言う。


「ん?でも今は修復もしないで放置しているのでしょう?ここが変わったという報告ですか?」

「そうじゃよ。最初はそうじゃったんだが……あぁそうじゃな、ほれ前に呼び出されたといっていなかったであろう?あれは違う報告じゃな。」


たびたび元の世界に呼ばれていたのもその報告ぐらいだそうだがほかにもあるらしい。


「いやなぁ……直接直させるために世界に常にいるんよ。彼らには寿命も与えたでな……最初の方の子はたびたび死んでいくんよ。それでお役目がまもなく終了するから挨拶ぐらいは、という報告じゃな……まぁ守り手との別れじゃからお疲れ様と言いに行くわけじゃ。数万年単位で守ってもらったからのう。」


 そういうアウラは色々あったのうといいつつ寂しそうに目を細めている。

 万年単位で仕事をしていた所謂部下なのだから当然と言えば当然だろうか。


「それにしてもそんなことを聞くとは……いよいよ手に負えなくなった感じかの?」

「ええ。最近綻びだけでなく干渉まであるようで……そちらの方の対応が手に負えなくなりましてね……トール一人ではさすがに。」


 最初のころからしばしばこのようなお互いに概念を維持しようとほかの概念を塗り替えること自体はあった、そのたびに元の状態に戻すことで何もなかったかのようにしているのだ。

 その場しのぎとも思えるがこのまま放置しておけば先に概念を塗り替えたほうに統一され最終的に全く違うものに変質してしまう、目標に向かわせるためには無理やりにでも維持しなくてはならないのだ。

 元の世界でも同じことは多々あったらしく、バランスが崩れるたびに星が消える、自壊するなど様々な目に見える現象として現れていた。


「まぁ最初は崩れたところを直すたびにそこに対応する守り手を創る形でいいと思うのう……私の時は自分で姿を決めさせたり色々したんじゃがそこは君次第じゃな。」

「なるほど……今度から着手させていただきます。……最近やけに増えております、神様も何かあればその現状を気にせず教えてください。」


 そう言って男は振り返ると元の研究室にそのまま戻ろうとした。


「それなら私をもとに戻してほしいんじゃがなぁ……」

「そうですね……それは……もう少し様子見ということで。」


 笑いながら男は消えた。

……まぁ今はこれで楽しいからもうしばらくはいいんじゃがな。まぁどうせあの部屋から見ているじゃろうし知っていると思うがのう。


「さて、今はただの教師じゃからな……他の教師にでも挨拶しに行くかの……」

 

 もしかしたら【魔製人形】が喋った理由もわかるかもしれない、まずは生徒の言っていたペトラという者に会いに行ってみるかの。

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