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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第十四節 あれよあれよと花散りて
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必要な修正

 こちらの【守護者】が参戦し始めて早数刻。

 少しばかり困った事態になった。

 いや、当然といえば当然で確実に起こる事だったのだが……


「創造主様、住人が動き始めました。いかが致しましょう」

「……漸く、か」


 本来直接は不干渉としている大半の【守護者】が住人に見られる、あるいは現実として認知されてしまうことはいささか問題である。

 どういうことかと言えば、【守護者】の放つ物やその自身を不可視にすることならば容易だ。


 しかしながらそれによって引き起こした事象や物体まで不可視にすることは出来ないことではないが不都合が生じる。

 何もしていないのに地面が突然へこんだり、盛り上がったり……それだけならばまだしも燃え上がったり、果てはなくなりでもすればそれは当然怪奇現象の一つとして住人に見られてしまう。


 怪奇現象で止まればまだ幸運だ。

 それが明らかに【守護者】ないしはそれに準じた者の手によって引き起こされたと判明してしまえば今後常にそう言った存在がいるのだとわからせてしまうのが一番の問題となる。


 これはいるかもしれない、というのといるという確信はかなり訳が違う、という話に繋がり、果てにその認識は【守護者】の状態に現実となってかえってくること――例えば存在する、という認識を通して可視のものから攻撃されるなど――を意味する。


 そんなことに頭を悩ませているうちにこちら側の住人が映像にも見え始めた、猶予はない。


「とりあえず混戦になるまで【守護者】を一旦引かせろ、その後から紛れさせればまだわかりにくい」

「かしこまりました」


 向こう側が相変わらず攻撃を続けているためこちらが引いても押し負けるような様子はない、それより不思議な違和感は向こうの住人が来ないことだ、これだけ暴れていればさすがに気が付くだろうに。


【守護者】と入れ替わるようにして現れた住人の一団はそれこそ混成軍のようであった。

 過去に大きないがみ合いがなければ案外共通の脅威には手を取れると見せつけるようなそれは何か様式がそろっているわけでもなく、さらに現場までの移動的な都合をうけて人数すら揃っていない。

 それでも明らかに所属の違う者の話に耳を傾け、指示に従う様がそこには見えた。

 ……と、ここで男はあることに気が付く。


「……トール。彼らの持っているものが何かわかるか?」

「はい?そうでございますね……あれは……アウラ様が過去に流した品ではないでしょうか」

「ふむ……?」


 はて、そんなことが過去になされていたか。

 確かによく調べてみれば明らかに異物排除を目的にされているようだ。

 それにしても数が多い、軽く見積もっても軍勢の五分かそれ以上は所持している。


「なるほど……これはいいな」

「いかがしましたか?」


 これを利用するべきだ、と男は感づいた。


「トール、今から改変を行う。それの完了の後随時【守護者】を投入しろ」

「かしこまりました……何か策が出来たのでございますね」

「ああ、混戦に紛れ込ませるよりも遥かにマシだ。認識は混ざるが……あぁ、一つ追加だ。【守護者】の名前と姿、特に大きさを偽装しろ、小さくな」


 返事はないが既に伝えるべく作業に取り掛かったようだった。

 男は光球を近くに寄せ手をかざす、書き換えだ。


 やる事はそこまで複雑ではない、持っている者に敢えて【守護者】を知覚できるようにさせる。

 ただ知覚させるのではいけない、アウラの神器を介してのみ見れることで別の世界を匂わせ、その上で新しく大衆の認識で世界が生まれないようにこちらで制限をかけるのだ。

 何故世界が増えぬようにするかと言えば、世界が生まれることよりも生まれたあと管理するのが面倒、と言うよりも危険で先日神様と交えたあの場所のようになり兼ねないからだ、それは御免被る。


 そうして、光球へ改変を重ね始め、次第に環境が整っていく。


「トール、そろそろ始めてくれ」

「仰せのままに」


 トールの指示がすぐに【守護者】へと飛んでいき、戦場にこちらからもまた彼らの攻撃が飛び始める。

 住人の反応も予定通りで初めこそ撤退までいかずとも軍を引いていたが、次第にまた異物へ優位に立ち始めた。

 そこまで見送ると今度はその住人を見守る傍ら、向こうの攻撃方法を調べに取り掛かることにした。

 これまで一度たりとも光線が途切れることは無かった、何か仕掛けがあることは違いないのだ。


 まずは何者が放っているのか?ということだ。

 この世界に仕える者はほぼほぼこちら側に付いている。

 仮に【守護者】と同等の者がアウラに作られ、攻撃を行っているとする場合は【厄災】と同じ様に既に大衆の面前に現れることを当然とするような輩である訳だが……


「トール、向こうであの攻撃をしている者はお前にはどのように見えている?」

「向こう、でございますか……私には……普通の住人に見えますね」

「お前も、か……」


 やはり行使しているのは一般人だ、トールもそう判断を下した以上住人に偽装した【守護者】に準じた存在ではない。

 となるとあれはアウラから神器の類を受け取ってそれを行使している者に違いないということだ。

 そして男はそのまま彼らの持っている神器へと意識を傾けてしまった。

お久しぶりです。1日500字どころか100字とか0字な感じまで多忙になってます。

ちょっとばかり後ろ数回をこの作品の情報整理としてコラム的なものを書くかもしれません。

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