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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第十二節 歪み
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アウレリア神国

 城内にて緊張感の張り詰める人型状態の龍神こと【厄災】と気だるげに周囲を眺めているアウラ。

 対称的な様子をみせる両者はそれぞれ互いの出方を伺っている。


「……はぁ。面倒は嫌いじゃよ」


 全く、素直に話を聞けばいいだけだと言うのに何を意味の無いことを……

 内心では手を横にしてほくそ笑みながら「そうかそうか。なら死ね」ぐらいに消してやりたいとまで考えかけたのは無かったことにしておこう。

 自分とて必要なのは変わりない。


「……まぁまぁ、とりあえずそう構えるでない。二人で話がしたいだけじゃからな。これで二人だし話をしようではないか」

「……わかった、聞くだけ聞こう」

「そんなに心配なら魔法でも張っておいたらどうじゃ?」

「いや、いい」


 構えを解き、今度は浅めに腰掛ける。

 警戒されているようだがまぁ状況は私に影響はないし話始めようかの。


「先に尋ねるが……お主はまだ創造主に反抗する気はあるかの?」

「どうしてだ?あるにはあるが……」

「存在の抹消の心配なりを解消してやるから手を貸してくれんか?いや、貸せ」

「……ほう」


 どうやら興味を持ったらしく、姿勢が前傾になり前で手を組む形になった。

 掴みは上々、というよりまだ反抗するつもりはあったんじゃな。


「お主には大事な役目を果たしてもらう予定じゃ。手を貸すならここで全て語る……じゃからここで選んで貰おうかの」

「今の言い方を聞くに……拒否権は?」

「あるにはあるが自己責任とやら、じゃな。さぁどうする?」


【厄災】は眉をひそめて視線を他所にし考えを巡らせているようだ。

 どこまで巡らそうと意味は無いに等しいと今のアウラは考えているがあくまで寛大であるようににこやかな表情を変えることなく待つ。


「……反抗と言う程度を確認させろ」

「契約の確認は大事なのを理解しておるのはなかなかに良いのう。なに、あの男に一戦吹っ掛けるだけじゃ。その際お主に戦ってもらおうという訳じゃな」

「それではお前の駒になるに過ぎない、終われば御役御免かそのまま駒じゃねえか」


 戦後そのまま向こうの世界へと帰るつもりでこちらの戦後を考えていなかったアウラはあぁ、と目からウロコがおちたように口が開く。


「……なぜそんな顔をしている?」

「ハッハッハいやいや、すまんの。全く考えておらんかった。理由を話せるのは契約後じゃがそのつもりはない」

「はぁ?」

「呆れないでほしいんじゃが、まぁなんじゃ。理由があるのは確かなんじゃよ」

「はぁ……」


 流石に呆れた様で手で顔を覆い溜息をつく。

 それもそうだろうこちらの意図がまるで分からなくなる訳だ。


 暫く固まった後に【厄災】は答えを導いたらしい。


「……一つ約束を取り付けてくれ」

「なんじゃ?理に背かぬ限り大抵は叶えてやろう」

「存在の保証だ。お前が手を引いたあと消されちゃたまらんからな」

「ほうほう、絶対の力とかかと期待しておったが、なかなか謙虚じゃの。良いぞ、ならばその目を差し替えることで存在の保証としようではないかの。ならば契約は締結されるぞ」

「は?目?」


 アウラの瞳から光が炎のように溢れて煌めく。

 そしてそれとほぼ同時に【厄災】が目を抑えて痛みに悶え始めた。


「っ!ああああああああっ!?痛えっ!テメェ何しやがっ……た!」

「少し黙っとれ、局所的に変えるのは痛くて当然じゃろう、変身じゃあるまいしの。元々あった目を潰して新たに体内につくるんじゃから慣れるのにも時間がかかっちまうのが癪じゃが目の機能が使えるようになるまでならそこまではかからんじゃろ」

「あああああ痛ってえっ!」

「……聞いとらんか。ったく創る側の手間もかんがえてくれんかの……」


 これこそ周囲で突っ伏している近衛が見たならば問答無用でアウラに襲い掛かっていただろう。

 アウラはこっそりと聴覚を遮断し作業を続け、およそ十分にもわたった。


「ん?痛みが……」

「ハァ……ほれ、できたぞ。見えるか?ボケていても構わぬ」

「すこしボケているが……まぁ見えるな」

「ほれ……まぁまだこの世界にこれの程の鏡はないが仕方ないじゃろ。それがお主の目じゃ」


 アウラが【厄災】にむかってかなり透明度の高い鏡を投げつけた。

 恐る恐る自身の姿を確認するとそのあてがわれた目を見開いてみたり動かしてみたり……


「これが俺の目か……」

「……それが絶対不変の目じゃよ。我々とてそれがある限りお主に改変ができぬ。故に力を与えることも無理になったがまぁお主は要求しておらんかったからの。あぁそれとその瞳はできるだけ見せるでない、眼帯をしろとまでは言わんが他人に観察させるようなことは避けよ、よいかの?」

「……まぁそれならいいか。で?こうなった以上あればおれはなはにをしたらいいんだ?」


 鏡を投げ返しながら問うてくる。

 アウラはむしろ今はこのままいるような旨を言うと拍子抜けしたような顔をしていたがこちらには準備があると伝え不思議そうな顔をしつつもそうさせた。


「お主の下僕は気絶させただけじゃが手荒な真似ですまんの」

「……こちらも善処するがこれは後が面倒だからな。出来れば控えてもらいたいものだ……」

(寝たままタイトル変えずに投稿してました。アスタリアではなくアウレリアです)

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