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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第十一節 誰が為に
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特別授業

 錬成教室前は人が寄り付かなくなっており周りから生徒の楽しげな声が聞こえてくる。

 すでに休み時間は後半に差し掛かっていた。


「そういえば私の研究室はどうなったんじゃ?」


 ふいに何も置いてない研究室、ほぼ休憩所と化していた自分の部屋を思い出す。

 そう言えばそちらには手を出していなかった、と。

 それについてペトラが残念そうに答える。


「……実はあの時一緒に崩れてから誰も一度も中を見ていないのです」


「開かないのか?」


「いえ、廊下からの扉はあの時完全に歪んでしまい、直すことなくそのまま壁を貼ってしまったので教室と共に手付かずなまま封鎖してしまいました」


 たしかに来た時に教室跡は中に空間を残して壁になり窓も外から塞いであった。

 災害時生徒ならばそこに教室があったのは覚えているはずだがそうでなければそこに放置された部屋が埋まっているとは思わないだろう。


「障壁さえなければ教室もどうにかするつもりだったんじゃろ?」


「まぁそうですね。瓦礫は残したままにはしませんから」


 そんなことを話しているうちに錬成教室跡前だ。


「…………そうか」


 教室前に来るとこじつけについて一つ思いついた。

 そうか、これならば大丈夫、いやこれだからこそ大丈夫な物があるではないか。


「どうかしましたかの?」


 ユラに少しばかり不安の色が見える。

 まぁ中にあるのが本来の私にまつわる物なのは知っておるようじゃしな。


「なに、ちょいと考えを巡らせたところよな。ペトラも授業じゃろ?ここからは私一人でやるからの、戻っていいんじゃよ?」


 するとどうやらはぶられたと思ったらしい。


「……残念ながら丁度次の時間は授業がないので」と、少し口角をあげるようにやりとそうはいきませんと言わんばかりに言われてしまった。


 如何せん準備はさらっとやってしまうため全くそのつもりは無いのだが……


「別に除け者にしようと言うんじゃないぞ?準備は一人で出来るからの、無理に居なくても良いぞと言うだけじゃ、見学するならそれで構わんよ」


「では気になるので見させてもらいますね、邪魔はしませんから。所長もほら」


「む?お、おっと!?」


 そう言ってペトラは教室跡ではない方の壁際へユラの手を引いて行った。

 ユラも同じようにみているつもりらしくペトラと何をするのかと手元に視線が向けられていた。


「……そんな期待のまなざしで見ないでくれんか。まぁ確かにお主たちには面白い物に見えるんじゃろうが……」


「えぇ、とても楽しみですよ?むしろアウラ様こそこの手が好きだと思ってましたよ」


「……好きには好きなんじゃが……」


 確かに新しく何かを作るのは大好きじゃよ?

……しかしの、何かのこじ付けのためにこういうことを作らねばならないのは面倒で大嫌いじゃ。


 例えば【錬成】開発時はある物だけという制限の中での開発だった。

 あれは正確には素を組み合わせればどんな物にでもなることを私が知っているうえでそれを新たな魔力の使い方として考え出すという物だったがなかなかに面白かった。


 逆に今回の様な場合は我が半身が作り上げた障壁を創造主の力で突破する、それだけならいいが隠すために必要もない儀式をわざわざつくらなくてはならないのだ。

……まぁ障壁破りとして今後使えるようにしてもよいがそれは魔力を操る魔法の範囲だけで是非ともやってほしい所じゃ。

 半身の作り出した似非魔法ベースにはしたくない。


 そんなことを考えつつ魔法陣を計画している通りに書き進めていく。

 ここで間違えてしまうわけにはいかない、もし間違えれば張り子であることがばれてしまう。


「…………」

 アウラが黙々と作業し、ユラとペトラがそれをただ観察する。

 また一つ、また一つと魔法陣を書いてはその個々を制御し、連動させる魔法陣を書く。

 

――三者様々な思いのまま無音が続いた。



「……ん?なにやらざわつきが大きくなったような気がするんじゃが……」


 そんなことを延々と続けているうちに生徒が集まってきていた、どうやらそろそろ約束の指定した時間に差し掛かってしまったようだ。

 ありがたいことにペトラとユラが生徒を近づけさせないだけでなく黙らせてくれていた。

 後で礼をせねばらなんの。


 ふと額をぬぐって自分の書いてきた魔法陣をみてみる。


「さて……間違いはあるわけがないからの。これで……」


 今、教室跡前の床には山の様な同じ魔法陣とそれをつなぐための大きな魔法陣を作っている。

……まぁもういいじゃろ、あとは魔力を扱うだけ。これで面倒な作業から解放じゃ。


「……これでええかの。よしお主たち、そろそろ解説をしてやろう!もう少し離れるんじゃ」


 アウラの立ち上がりに合わせるようにユラとペトラが私の周囲に空間を用意してくれる。

 なにもここまでしなくてもいいのだがしてくれる分には解説がしやすくなる。


「さて、ここには障壁破りの魔法陣の第一段階を書いたんじゃが……どのような物か読んでわかる物はおるか?」


――さぁアウラ式特別授業、障壁破りについての授業じゃ。

風邪ひきました。遅れる気がしないでもない

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