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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第十一節 誰が為に
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食堂

「では早速……」


 依頼を受領したという形をとって早速アウラは錬成教室跡へと向かうべく反転した……がユラに止められてしまった。


「アウラ様ちょっとばかしおまちくだされ、さすがにまだワシら三人しか知らぬ状態、他の教師にもそう伝えなければ問題になってしまいますぞ」


「ん……それもそうか。どれぐらいかかるかの?日中であればできるだけ早く済ませたいのじゃが……」


 相手は半身、話が分からない輩ではないし世界を壊そうとたくらむことはないのは元よりわかっている。

 故に相手がどうにかなることに焦っているわけはないのだが如何せんこのままでは私があの男にどうにかされてしまうかもしれないのだ。


「そうですのう……とりあえずほかの教師も皆一旦食堂に行くはずですからそこを狙ってあとで集めましょう。ペトラと違ってワシらは食べないと生きていけませんからな……む?そう言えばアウラ様は今も食べる必要があるのですか?」


 どうやら教師時代は普通に食べていたことを話しながら思い出したようだ。

 当時はユラたちと同じで食べなければ死んでしまう身体であった、しかし今は違うことをユラはそれをそれとなく予想するにとどまっておるのじゃろう。


「ん?今は必要はないのう。まぁ味を楽しむことはできるがの」


 そういってそれを示すように片方の目に創造主としての力を振るう際の光を一瞬だけフラッシュのように焚いた。


「……なるほど、では半年ぶりご一緒に……いかがですかな?どうせ集まれるとしても昼を食べた後ですから、急がれるよりはよいかとおもいましてな。ワシも食べに行かなくてはなりませんから」


 そう言って腹をさするユラ。

……そうか、この中の三人のうち唯一食事が必要なのですっかり抜け落ちていた。


「そうか、なら行こうかの。わしも軽く何かもらうだけもらっておこうかの」


 三人はゆるやかに食堂へと足を運ぶ。

 生徒の大半はすでに食堂へ流れているようで、ちらほらと食器を以て複数人で食堂から離れる生徒の姿も見受けられた。

 食堂はそれをする必要があるほど混んでしまったじゃろうか……

 そんな些細すぎる不安が脳裏によぎった。


「……案外、どうとでもなると内心思っておるんじゃろうな」


「アウラ様、どうかいたしましたか?」


「いんや、なんでもない。戯言じゃ」



――食堂にて


 案の定食堂はユラとの会話によりワンテンポここに来るのが遅くなってしまったようだ。

 座席に空きは見えず、皆各々食べている最中である。


「やはり空いてないのう」


「ふぉっふぉっ……実はアウラ様、こういった際に備えて教職員の専用の場所が増えましてな」


「……ほう?」


 何やら実用的な物が増えておるらしい。

 聞いてみればやはり先程のように事務的な会話をしてしまってから食堂に遅れて足を運ぶと座る場所がなく、泣く泣く昼抜きで午後の授業支度へなどという話が生徒が増えるほど増えてしまったと言う。

 ならば先ほどの生徒らのように外で食べれば……と思うのじゃが実は食器の管理の都合で持出禁止なんだそうだ、故に生徒はともかく教師は流石にそうは出来ない、その結果このようにして解決したらしい。

 ちなみに、生徒がそうして持ち出すことは生徒だけでも席が足りてないので渋々黙認状態なんじゃと。


 そしてユラにその場所まで連れられて来た。

 生徒が屯している床よりも一二段高くなっており置かれているテーブルや椅子も違うものを使うことで空間として別の場所であることを示している。

 それでいて壁などの仕切りがないとは、よく出来た設計じゃの。


「で、それがここから先。と」


「ええ。そうじゃな、丁度三席空いておるしそこで」


 ユラに通されるまま空いていた席へ腰を下ろす。

 ここからは生徒が良く見える様になっているのだがよくよく見れば生徒の方にも何人か共に食べている教師の姿も見える。


「なぁユラよ、教師があっちで食べる分には良いのかの?」


「特に制限はしておりませんな、それに逆に話すために向こうからこちらに来る生徒もいますしの」


 とそこにペトラが二人分の食事を運んできてくれた。

 一体いつの間に離脱していたのだろうか。


「アウラ様も所長もお話が長引くと思われてましたので先にとってきました」


「おお、すまんの」


「今日は何やら新しく挑戦したものがあるそうですよ」


 そう言って運んできたものをまるで給仕のようにテーブルに並べていく。


「手際がいいのう」


「……どういたしまして」


 途中、周囲の目がこちらに向けられていることに気がついたがよく考えなくても私が久々に居て、そこに普段食べないというペトラ、さらに学長がいるのだから当然のことであった。

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