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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第9節 異界遭遇編
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魔王軍深夜のゲート攻略後半戦

――ビキビキビキビキビキビキッ……パリンッ


「割れたっ!姫!さすがに直撃はまずいから早く!」


 膨大な魔力を吸いあげるゲートを介していたからこそアイギスは耐えられたのだ。それがなくなった状態で受けられるほどルルイエの火力は穏やかではない。ルシウスがそのままレヴィアとアイギスの首根っこをつかんでルルイエの射線から外した。


「もちろん聞こえたわっ!――【収束コ・バジエンス】……っ!?」


 ここまではよかった。しかしながら『複製』の解除タイミングがワンテンポ遅かった。ルシウスがアイギス、レヴィア本体を優先して射線上から外した結果その場に複製体が取り残されてしまった。当たり方が微妙に異なるそれらはルルイエの魔砲を弾きあらぬ方へと向かわせてしまったのだ。


「な……っ?アイギスの複製体が!ルシウス!」


 ルルイエが勢いを殺し始めた時に乱反射し分散してしたそれは威力弱まったとは言えものを破壊するには十分すぎる火力だ。


 視覚的にはアスタリアが隠せてもルルイエの足場のように壊れてしまうと直すなりしなければならない。


「わかっている!『複製』『リフレクション』!向かえっ!」


 今度はルシウス本人を複製し反射を張った上でそれを散らばった着弾点へ投げ飛ばす。魔力で作られた複製体は皆最低限度の意思は持っているが即応させるには投げた方が早い。投げられた複製体は即座に体制を整えるとルルイエの魔砲を己の存在と引き換えに上へ反射させた。反射し始めた複製体は次第に身体が削られていく。


「行けるか……?」


「今度は複製体を処理して!アレが爆ぜるわ!」


 しかし複製体はゲートと同じように魔力過多で魔力に存在を食われ反動で接地と共に一斉に爆ぜてしまう。いくらドックと言えども付近の気絶した人間が危ない。


「まさかここまで分散するとは……だが粗方思った通りだったな!おら、手空きは手を貸せ!」


「ケタけタけたケタ、魔王のコウ撃が一番キケん……けタケタ」


 どこからとも無く現れた他の魔将がいない所を見極め複製体の破壊を始める。しかしそれでも捻じ曲がった魔砲の火点へと返された太めの魔砲の何本かは複製体が押し返しきれずにそのまままとまった爆発となる。火点にはルルイエがいるため構造物に影響は無いが既に魔力変換をやめたルルイエにはうけ止めにくい一矢だ。


「……姫様は火力調整を学ぶべきですな」


「えっ……?」


「まぁ……例え武器が不全でもこの程度、成し遂げねばなりませんぞ」


 そう言って次にその声の主を見た時はルルイエの魔砲は斬り伏せられ、霧散した。


「おじさま!ものすごく暗かったから触らないでいましたのに」


「……姫様、むしろその方が格好がつかなくなってしまいますぞ……ですが……」


 そう言って残り三振りとなった愛刀を見せる。軽く宙を斬るとそのまま刀身は崩れて柄だけになり柄も粉々になりわずかに形が残るだけになってしまった。


「あら……」


「姫様の全力はお強いですなぁ……まさか姫様から貰ったものを姫様のために使って壊そうとは……」


 グスタフは魔法を使うとしても極限まで練り上げた上で自己強化をするスタイルを取る。

さらに言えば創造主から授かっているにも関わらずその剣を持ち出すことは滅多にないことは【魔族】の中では有名な話で、代わりに愛用しているのはルルイエから授かった物だ。

それが一本のみならず三振りが全壊、残る一振りも刃が欠けて剣としては使えなくなってしまったのである。それが唯一無二の名刀でなくてもグスタフにとっては価値のあるものだったことは言うまでもない。


……グスタフが扱えるような剣を作れる職人はこの世界にいるのでしょうか?


 魔砲の流れ弾を片づけ切った他の魔将もルルイエの元へ色々言いたげな気持で寄ってくる。顔を見れば想像はつく、私がゲート破壊後のほんの少しの間そのまま魔砲を止めなかったことによるちょっとした惨事についてに違いあいませんわ。


「はぁ……ここまでおじきの剣が姫さんの一撃でボロボロになるもんかね……グスタフのおじきから剣がなくなったのはいつ以来だったかね?」


「ん?そうだな……丁度同じようなことをした時以来じゃないか?あの時は創造主の武器を壊したんだったか」


「ん?……というか姫?前も壊してるんですのね……?」


「あっ……ううっ……ごめんなさい」


 初犯じゃなかったことが判明しレヴィアに呆れ交じりに怒りの色が見える。創造主から武器を授かったのはなにもこの七人だけではない。過去に魔将を担っていれば少なからず持っているし今も使っている【魔族】はいる。それでも壊れたのはグスタフが同じようにルルイエに対して必要になり使った際だけだ。


「はぁ……なんだか叱る気も失せましたわ……むしろわたくしの槍とか大丈夫かしら……思いっきり薙ぎ払ってしまいましたけど……」


「ボクの盾、心配」


 各々自分の武器を確認し始める。今はもう壊れてしまえば授かることはない、グスタフと違い彼らは授かった武器をなくせば今手元に他の武器はない、生命線ともなっているからだ。


「うぅ……リミッターなしの全力は……またしばらく封印しますわ……」


「当然ですわ!もう……あなたがあの服を着た時点で止めるべきでしたわ……あと、早急にこれを相手できる腕の【鍛冶師】を探さないといけませんわね……ガタが来てるとまずいですから、ねぇ?」


 ジト目のアスタリア含め魔将の無言の説教がルルイエに向けられる。


「……探してきますわ」


――ルルイエは壊した港を修理した後、彼らの武器に耐えられる【鍛冶師】探しを誓った。



_(:3 」∠)_ちょっと今日は所用で更新なさげかもしれない

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