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一般人だけど世界滅ぼしたので世界作ります  作者: 超蔟
第8節 アイヴィス編
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魂三つでも

 龍はそのまま落下しアイヴィスのすぐ脇に巨大な華を咲かせた。黒い船体が赤黒く化粧される。もうすでに息はない……かに思われたのだが……


――グォオオオオオオオオオオッ


 確実に死んだと思われた個体がそのまま起き上がる。仕様上その龍に残る根源となる魂は二つになった。しかしそれをアイヴィスに籠る彼らが知る由もない。ただ死んだと思った化け物が死んでいなかった、としかならないだろう。不死の可能性を恐れつつただただ砲弾を撃ち込んでいく。再び飛び上がったとしてもそれは変わらない、弾幕は途切れることなく浴びせ続けられ。また龍を地面に叩きつける。


「また起き上がるかもしれん、頭を徹底的に狙え!」


 狙え、と言ってもそこまで命中率がよくない以上結局全身に砲弾が飛んでいくのは変わらない。ある一発は腹を搔っ割き、また別の一発は翼を貫いていく。砲弾の方もまだまだ発展してない今はただの塊に過ぎない。体内で止まればそれは塊として体内にそのまま残る。それは異物として、また重さとなる魔力的引力として地面へ引きずりこむ要素になる。


 そんなことを小一時間繰り返してるうちについに龍は物言わぬ存在と化した。その証拠に魔力が尽きたとして存在がそのまま消えていく。幸いにも襲ってきたのも付近にいるのも一頭だけのようだ。ぞろぞろと甲板やドックに作業員やら乗組員が出てきた。


「……町の方には何もしてこなかったな」


「えぇ……むしろこの船だけを執拗に狙っていましたね……」


 それでもドックの中は大惨事になってしまった。色も地面もまるで別世界である。飛び散った血液をペトラが大事なサンプルだと称してかき集めていたりユラが魔力があると言って吸収しているのを見ると色合いについては案外すぐに元の様子には戻せそうだ……そして地形もユラがいるうちであれば簡単に直るであろう。作業員や乗組員を見回しているとティナがアイヴィスの船体を不思議そうに調べている。


「あら……ティナ?どうしたの?」


「あ、所長。ちょっとおかしいなと思ったのよ。この船体を見てなにか感じることはない?」


「んー……確かに言われてみれば何かおかしいような……」


 ティナに言われてよくよく船体を見回してみる。一見すると黒い装甲板が血飛沫を浴びただけに見えるが……それだけだ。


「……新造されて綺麗な装甲板が血まみれな……だけじゃないかしら」


「……綺麗すぎだとは思わない?」


しかしながらよくよく考えてみればむしろそれだけと言うのが最もおかしい。付近にかなり大きなものが落下したにしては綺麗すぎるのだ。先ほどユラが防御障壁を作り替えたのは覚えているがその効果が先ほどの戦闘中に発動したようには思えない。壁があったのなら内側から砲撃したときに反応しているはずに違いないしそもそもあのように攻撃されるたびに船体が揺れることもないだろう。


 原因二人で悩んでいると魔力を吸い終えたユラが現れた。


「艦長殿……と技術班長のお嬢さんでしたかな?わしの直した装甲に何か不備でもありましたかのう?」


「い、いえっ!そんなことは全く……ですが……」


 二人とも船体が血飛沫を覗いてやけにきれいなままであることに違和感を覚えた旨を伝えた。すると真剣に聞いてるように見えたが最後になって笑い出したのだ。


「ふぉっふぉっふぉ……それが書きなおした魔法陣の性能じゃよ。わざわざ五つも描いたのはそういうのに対応させるためじゃて……」


「で、でも発動してる様には……なにか目に見える物はありませんでしたし……衝撃は普通にありましたから……」


「なるほどのう……そうじゃな……ちょっとこれを見るんじゃ」


 そう言ってそこらへんの小石を思いっきりアイヴィスへと投げつける。するとその小石はアイヴィスの装甲に触れる前にカンッと弾かれたような音を出して跳ね返ってきた。


「……これでわかったかのう?」


 しかしティナは納得がいかないようだ。船体の血飛沫を指さしながら指摘してきた。


「じゃ、じゃあなんで血飛沫はついているんです?同じように弾くならこれだって……」


「ほう、そこに気が付いてくれたか……それは魔力消費を抑えるための仕組みじゃな。わしが五つ描いた魔法陣のうち一つはそれを識別する検知系のものじゃ。飛んでくる物体の速度や素材で危険度を判定すると思ってくれて構わぬぞ。他の四つはそれぞれ瞬間的に障壁を展開するための魔法陣じゃ。これのおかげで展開中に同じ方向じゃなければ撃つことができる……というわけじゃが伝わったかの?」


 先ほど投げつけて帰ってきた小石を今度は軽く下投げすると今度は船体にぶつかってその足もとへと転がっていった。ティナも半ば納得したようだがそれにさらにユラが付け加える。


「血飛沫は速度もあるが液体じゃったからのう……そもそもそんな液体の時点で船体には危険度は低いと判断したんじゃろう……と、まぁこれでわかってもらえたと思うんじゃがほかにありますかな?お嬢さん」


 ティナは納得がいったようだ。今度は魔法陣の詳細について聞き始めた。


完全に最後の数行寝落ちながら描いてたので支離滅裂になってたのを修正しました。


ちゃんと寝ようね

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