『Ⅱ』彼は闇夜に紛れて泣いていた。
『はいお嬢ちゃん、剣と杖含めて銀貨6枚と銅貨4枚、ウルフの牙は銀貨9枚だ』
私は街に帰りまず最初に戦利品を質屋に入れた、質屋は街の中の至る所に存在し、私は門付近にある木造の掘立小屋のような質屋を選んだ。
質屋の内装は非常に質素なもので、よぼよぼの狐耳に老人が店を営んでいた、店の中は薄汚いという言葉がよく似合い、老人もお世辞にも綺麗とは言えず、不衛生な感じがにじみ出ていた。
今回手に入った金は依頼成功料含めて銀貨25枚と銅貨4枚、ここからウッドさんに払う宿代は銅貨100枚、食事はホットサンドでも作るとして食材は平たいパンが銀貨2枚、チーズとベーコンで銀貨8枚、バターが一切れ銅貨500枚、それを二つで銀貨1枚、残りの手持ちは銀貨14枚と銅貨4枚である。
私は続いて報酬を受け取るために組合に向かう、組合の中は仕事終わりの冒険者たちが酒を飲みまくりすでに真っ赤に酔っていた、彼らはこんな危険な仕事をしているのに絶えず幸せそうである、その点だけは羨ましいという感覚に陥った
私はカウンターの前まで行き結果報告を行う、仕事の証明は死んだ冒険者たちのメタルタグで証明することにする、血で汚れたプレートを受付嬢に差し出すと受付嬢は酷く悲しそうな顔をした
『そうですか、、、死んでしまっていましたか』
『それより報酬、早く』
彼女は落ち込んだ背中を見せて報酬を取りに行った、そして銀貨の詰まった袋を私に渡すと彼女はとぼとぼとカウンターの後ろに引っ込んだ。
次に向かうのは食料品を取り扱う商館である、この世界は商館と呼ばれる建物を中心に物の売り買いがなされている、商館はこの街には7つ、イメージ的には百貨店のような物であり、商館の中には多くの商人たちが様々なものを取引している。
組合を後にした私が向かった商館の名は【金麦の集い】と呼ばれる主に食料品や日用雑貨、衣服など生活に欠かせない品を取り扱っている商館で、全ての商館にも言えるが場所は街の中央にある、参加商会数は他の商館よりも圧倒的に多いそうである。
建物の造形は石の、、蔵であろうか、大きさは凄まじく中でサバゲ―ぐらいできそうだ、荷物を載せた馬車が大きな入り口から出入りする様は倉庫という表現もできるだろう。
早速商館に入ればそこは圧倒的人込みであった、人に酔うという感覚を久々に味わった、獣臭い建物のの中には様々な物を売り買いする商人たちでごった返している。
そしてこの世界には基本的に商品に値段というものがない、全てを交渉で決めるのだ、、が、冒険者は自分の身分を提示すると冒険者組合のサインが施された相場値段表を提示してもらう権利というのがある、これは危険な職務で、尚且つ重要な職務である冒険者というものを腐らせないようにするための規則らしい。
私が話しかけたのはエルフ耳の肌色が少し暗い、ダークエルフといった感じの少女であった、体はアザだらけなのが気になるが、取り扱っている商品は私が買おうとしているパンにベーコン、チーズとバター、全てが揃っていることを考えると微々たる問題であった。
『そこの少女、そこのパン、ベーコン、チーズとバターを買いたいのだが、私は冒険者だ、相場票の相場通りで購入したい』
『は、、、はい、、うわ』
≪チャリン≫
彼女は手に持った銅貨を地面に落した、それを見た後ろの商人は彼女に石を投げつけ、その石の弾道は逸れて私の足に直撃した、痛くはないが気分が悪い
『すいません、私目が見えないもので』
『ふむ、何故かは聞かないけど、大変だね』
目が見えない、その理由はよく見れば分かるものであった、目が不自然に白い、薬で失明させられたのだろう、貧相民の子供をかき集めて腕や目をダメにして物乞いをさせるのは以前の世界でも常套手段であった、大方可哀そうだと思った商人に高く物を売りつけるためにこうして使っているのだろう。
何となくだけれど、がっかりしている自分がいた、この世界を焼け野原にして復讐するという目標、これをするにあたって彼女らのような、この世界ですらこんな扱いを受けている者たちまで身を焼かせる、それは私の中で何か許せない物があるからだ。
何とかしなければならない、何としてでもこの世界の主要種族と他種族を分けねばならない、このままでは私の復讐に付き合わなくてもよい者まで大勢死ぬ、私が殺したいのは獣の耳を持ったこの国の住人だけなのだ。
『あの、、お金を、、』
『あ、ああ、悪い、はい』
私が硬貨を手渡すと少女は麻袋にそれらを詰め込んだ、後ろの商人は額をちょろまかしていないか凝視している、つくづくこの世界は気に障ることが多い。
残った金は宿代を除いて貯金して、ある程度貯めたらウッドさんにプレゼントするとして、この後どうするかである、このまま宿に帰るけれど、今の私はほぼほぼ眠気がないのだ、まったく眠くない、不老不死の影響であろうか、精神的な疲れが今日はそう多くは無かったからだろう、昨日のような眠気が今日は無いのである。
――・・・
宿に戻るとウッドさんが椅子に座っていた、私が食材を持っているのを見て彼女は嬉しそうな顔を見せる、なんだか家族と生活しているような気分で少々楽しい。
『お帰りなさい、スノウ』
『ただいま~』
私は服を脱ぎ捨て寝巻に着替えると早速台所に向かう、台所は案外近代的で、ガスコンロらしき物もある、ホットサンドを作るといったけれど、簡単なホットサンドなんて料理のうちに入らない、さっさと作ってしまおう。
「うっわ、包丁切りにくい」
この世界のパン切包丁は異常に切りにくかった、それこそ玩具でないかというぐらいに切りにくく、パンは押しつぶされるように切れていった、これならばタコ糸で切ったほうが綺麗に切れる。
ともあれパンを三角形に切れば、後はそこにバターを塗り、ベーコン、チーズを乗せて、バターを引いたフライパンの上で焼けば完成である、黄金色のパンと焼けたバターの匂いは食欲を誘う。
盛り付けを終えて部屋に戻ると私の衣服は既に洗い済みで、ウッドさんが魔法で乾かしてくれていた。
『服ありがとう、パン焼いたけど食べますか?』
『あ、美味しそうね、ご馳走になるわ』
パンは軽い音を立てて口の中で崩れる、冒険者組合で売られているサンドイッチは味気がなかったけれど、ベーコンで塩っ気が加わったこれは私の大好きな塩味の食べ物である。
木製のコップにホットサンド、目の前には綺麗な女性、こんな状況は男女問わずに憧れるシチュエーションである、それに自分の用意したものを美味しそうに食べてもらえるというのも非常に嬉しかった。
食事を取り終えるとウッドさんは私より早く就寝した、この後は私はもう一度組合に向かい、夜間の依頼を受けるつもりである、眠くないのだ、それならば剣を片手に小銭稼ぎに出るの他ない、夜間の依頼は比較的に高価な依頼が多いということで少々期待が持てる。
――・・・
夜の冒険者組合は酒の匂いが抜け、いかつい冒険者たちが地図を片手に真剣な顔つきで依頼の準備を行っていた、夜間の依頼とはそれだけ危険なものなのであろう。
私がカウンターに向かうと昼とは違う男の受付が座っていた、彼は私の姿を見た後引き出しから数枚紙を取り出し机に並べた、察しが良くて助かる。
『B級冒険者はこの4枚の依頼を受けられるぞ、報酬は銀貨40枚、推奨人数は全て3人以上だ、配給品としてカンテラと地図、干し肉を渡す』
依頼は【夜間依頼・デイダラスライム討伐】【夜間依頼・ギャド森近郊警備】【夜間依頼・密貿易取り締まり】【夜間依頼・クラミリードラゴン偵察】、である、報酬が高くリスクが高い依頼、密貿易取り締まりに関してはもはや魔物とか関係ない。
一番街から近い依頼はギャド森近郊警備である、個人的にはあまり街から離れたくないということで、私はその依頼を手に取った。
『これにするわ』
『了解した、そうそう、あんた夜間依頼初めてだろう、夜間依頼は全てマルチリクエスト、他の冒険者と合同になる、くれぐれも揉めるなよ、救助義務はないができるだけ何かあれば助けるように』
私は受付の男から配給品を受け取るとこの依頼を請け負っているパーティーのいる席に近づいた、数は12名ほどであろう、作戦会議的なものを行っている。
『すまん、私も依頼を受けたのだが』
『お!、お姉さんは、、、近接武器だな、ならあっちの席の分隊に入ってくれ』
『わかった』
はげた老人に言われるがまま私は【第2分隊】と書かれた紙が置かれている席の人間に合流した、人数は3名、魔導士風の女性1人、弓を持った男が1人、剣士風の男が1人である、要旨は、、、パッとしない感じである、華がない。
『スノウドロップです、今回貴分隊に参加することにりました、よろしくね』
『お、じゃあ自己紹介だな、俺はサイバル・ハイド、剣士でこの分隊の分隊長だ、よろしくな』
サイバル、剣士風の男で耳は猫のよう、安そうな服に安そうな剣、一生成功しないタイプの男だろう、大学でリア充してそうな要旨はなんだか殺意が湧いた。
『俺はダブスタ・ナインだぜ!、弓使いだ、よろしくな!』
ダブスタ、厳つい容姿に見合わぬ弓、あべこべな感じが間抜けな雰囲気を醸し出す、優しそうな人物ではあるが小説などでは4番目ぐらいに死にそうな感じで、頼りがいがない。
『わ、私はマリュリー・ハイルで、、、す、魔導士です』
三つ編みのおどおどした魔導士、あざとくてうざい、学級にこんな奴いたらぶりっこの烙印を押されて真っ先に虐められる感じの奴である、何だこのパーティー。
『俺らはギャド森の南部の警備だ、以前からの傾向でハイゴブリンが多く見られる、囲まれると厄介だからあまり密集した行動せず、ダブスタとマリュリーを囲むように俺とスノウで索敵する、いいな?』
『了解したわ、よろしく頼むわね』
私たちは冒険者組合の外にある馬車に乗り込んだ、馬車は非常に大きく、討伐した魔物を乗せるためであろう、荷馬車であった、帰りは恐らく魔物の死骸の上に乗っかりかえるんだろう。
馬車に乗っている間、リア充3人の会話は止まらない、なぜ今から命がけの仕事をするのにこんな楽しそうなのか私には見当つかなかった、あとなぜ周囲の馬車では今からカンテラに火をともしているのかもわからない、普通明かりはなるべく目立たないようにするのが定石だろう。
――
馬車がギャドの森に到着した時である、異様な臭いに全員が気が付いた、甘いのに不愉快な臭い、そして周囲には肉片になりかけたゴブリンや飛竜が散らばっている、何かが起きていることは一目瞭然であった。
『周囲警戒!!気を抜くな!』
部隊長の声は周囲に鳴り響く、なぜ大声を出すのか私には理解しかねない、ギャド森からは一切鳥の声も虫の声もしない、そんな中で大きな声を出せば、当然【敵】はこちらにやってくるというのに。
≪ゴオオオ≫
地面が鳴り響き、目の前には大きさ12mほどのドラゴンが現れた、闇夜より黒い鱗に輝く赤い瞳、大きな羽は屋根のようで、吐き出す息は赤く色づく。
『リ、、、リントヴルム!!に、逃げろ!』
『ふざけるな!、勝てるわけねえだろ!!』
『勝ち負け以前だ!』
『いやああああああああああああああ』
よほどに凄まじい存在なのだろう、周囲は一瞬で蜘蛛の子散らしたように逃げ出した、しかし彼ら、馬鹿なのであろう、ここで逃げればこれが街に行く、街に行けば積みだ、逃げ場なんて他にない。
私は服を脱ぎ捨て、耐熱ドレスに着替えた、正直ここで着替えるのは恥ずかしいけれどそれを気にしている場合ではない、目の前の竜は逃げ出す者たちを追い打とうと息巻いている、これを許せばこの竜を止めることは一生叶わない、そうなれば、、ウッドさんは死ぬだろう
「おおおおらあああああああああ!!!」
私は竜の足を剣で思い切り叩き付けた、私の腕は竜の足に切り込みを入れると同時に折れた、竜はこちらを見下ろし赤い瞳を輝かせる。
≪ブォオオオオオオオオオ≫
その瞬間竜の吐息は私を、焦がした、耐熱のドレスに包まれた部位を除き私は隅になって地面に落ちた、当然耐熱ドレスに包まれた箇所から復活するのだが、あまりいい気分ではない。
≪ドゴン!!≫
私が投げつけた剣は竜の羽根の根元に突き刺さった、羽は轟音と共に地面に落ち、竜の悲鳴は闇夜に鳴り響いた、泥仕合である、羽の落ちた竜と、不死の私、どちらも引かぬ攻防は悲惨なものである。
私が剣で足を叩き付け、竜が私を消し炭にし、復活して足を叩き付け、また私が死んで、繰り返して繰り返す、竜の足は次第に自立不可能になるまでに傷がつき、私は幾数百万と死んで、それでも攻防は終わらない。
≪ドガン≫
≪ブォオオオオ≫
≪ドガン!!≫
≪ブォオオオオ!≫
―――・・・
夜が明けたころ、竜はついにその身を地面につけた、足が二本切り落とされたのだ、私の衣服は既に耐熱であっても焼け落ちた、しかし私は未だに二本の足で立っている、剣は折れていない、数百と繰り返したこの攻防は終わりを絶対に許さない。
前足を失い顎を地面につける竜に私は剣を竜の額に叩き付けた、このままではいつか自分の頭が切り落とされると察した竜は片方の羽根をばたつかせ焦りを見せ始めた。
≪ゴン≫
竜は自重で顎が開かない、もはやただの案山子である、頭は剣で叩かれるたびにひしゃげていく、鈍い音は響きを徐々に失い、赤い瞳はつぶれた額に押しつぶされて、目玉がついに零れ落ちた。
≪ゴン、、ゴン、、、ゴン、、、ゴン≫
竜は次第に動きを止めた、頭は既に肉塊になって、動かぬ体は次第に冷えてきた、死んだのだ、あの竜は鉄で叩き殺された、私は死んだことを確認すると鞄に入れていた予備の下着と先ほど脱ぎ捨てた軍服を着なおした。
問題はここからだ、この竜の死骸を狙った先ほど逃げ出した冒険者たちは剣を片手に私ににじり寄ってきた、これを強奪するつもりだろう。
もちろんサイバル達もいる、12人全員が私に殺意を向けた、魔導士は魔道陣を空中に描き、剣士は鞘を投げ捨て、弓使い達は今にも矢を放ちそうである。
ゲスである、あんな連中を説得するなんて対牛弾琴もいいところ、対話の余地もないし、生かして返さないし、絶対に殺す。
〖我ヲ使エ、世界ハ腐ッテイル〗
私が冒険者たちに剣を向けた瞬間、後ろの黒龍のつぶれた頭は青く光り、ヒュドラの時のように木簡になって私の手に飛び込んできた、木簡のセリフを私はゆっくりと読み上げた。
「影王の鞠躬如」
私の体はみるみるうちに真っ黒に変色し、まるで影が張り付いたかのような容姿になった、その姿を見た冒険者たちは足を震わせる、名前からして相手に恐怖を与える能力なのだろう。
問題はこの状態だと集中力が切れることだ、興奮してしまうのだ、怒っているときに頭がふらふらするような感覚、あれが常時私を襲う、この能力の副作用であろう。
≪グ、、、シャン!!≫
取り合えず部隊長を剣で吹き飛ばした、部隊長は胴体をバラバラにしながら宙を舞い、周囲に臓物の雨を降らす、それを見た冒険者たちは我に返り恐怖でその場に座り込む。
あの黒龍を単騎で倒した奴に勝てるなら、最初から黒龍相手に逃げていないだろう、と、彼らは私の容姿だけを見て挑んできた、それほどまでに後ろの死骸の価値は凄まじいのだろう、しかしいざ挑んでみれば足がくすんで動けない、士気の低下は組織を一瞬でだめにする。
『か、神よ、わ、私に救いを』
≪ブシャ≫
≪グシャ≫ ≪ズシャ≫
≪ガシャ≫ ≪ドシャ≫
≪ズシャン≫
≪ズドン≫ ≪グチャリ≫
神に祈る魔導士の首を撥ねた、逃げ出そうと這いずり回る剣士を刺した、それはゲームで残り僅かになった雑魚を潰して回るのに変わりがない作業である、泣き叫び恐怖に震える者を、長くて大きい鉄の塊で叩くだけ、こんなもの中学生でもできる。
最後に残ったのは冒険者たちの死骸と、黒龍の死骸、生きても死んでもいない化け物3つであった、幸い馬車は残っている、このまま冒険者組合に帰って黒龍との戦闘で仲間が戦死したと伝えよう、そう思い私は馬車の御者台に乗り込んだ。
この惨状を見て心が少しも痛まない、その現実に泣きそうになりながら私は街へ帰った。
―――・・・・
街に帰り組合の中に入ると組合内は黒龍襲来に備えた緊急時防衛作戦を立案していた、しかしその緊張も私が組合に入った瞬間に消えうせた、死んだはずの人間が帰ってきたからである。
『お、おい姉ちゃん、逃げてきたんか』
『いいえ、黒龍は死にましたよ、我らギャド森警備隊の決死の戦闘によって、私以外全ての命を費やして、ようやく勝利しました』
これを聞いた冒険者たちは胸を撫で下ろすと同時に、今回の戦闘で死んでしまった冒険者仲間を思った、彼らにとっては命がけで街を救ってくれた英雄なのだ、死んだ冒険者たちは。
そんな冒険者たちの中から、私に飛びついてきた者がいる、ウッドさんだ、彼女は私に抱き着くと涙を流して私の生還を喜んでくれた。
『よかった、よかった、生きていましたのね』
私はこの世界にきて初めて自分の行動が正しかったと思えた、今まで自分の行動は全て間違っていて、愚かな行動だと思っていた、しかし彼女がこうして生きているというだけで、私の苦労は報われた。
『おいスノウさん、ほれ報酬だ』
『あ、どうも』
受付の男は感動の対面に割って入るや硬貨の入った麻袋を私に渡した、麻袋の重さは大したことはなく、銀河が40枚入っているとはとても思えなかった。
麻袋を開けた瞬間、中に入っていたのは硬貨が10枚であった、しかしそれは銀貨ではない、金貨であった、しかも商人たちが持っている金貨よりも一回り大きい。
『スノウさんへの報酬は黒龍リントヴルム討伐により銀貨1万枚、金貨100枚相当、王室金貨10枚の報酬だ、加えて後日領主から勲章授与もあるぞ』
『は、はあ』
思いのほか凄まじい結果に開いた口が塞がらない、手持ちの金は銀貨1万枚相当の金貨だそうだ、人間唐突に凄まじいことが起こるとびっくりしてしまう。
仲間が全滅したことや金を大量に持っている事実を誤魔化すためにもここは王室金貨を1枚ぐらい消費してここにいる全員巻き込んで宴会ぐらいしたほうが良いだろう、恨み妬みや疑心は清算するに越したことはない。
『じゃ、じゃあほら、王室金貨1枚払うから、宴会でもする?』
≪おおおおおおおおおお!!!≫
冒険者たちはそれはそれは嬉しそうに喜んだ、なんだか腑に落ちないけれどこれでまあ妬みとかを抱かれることは無いだろう、そう思えば少々気が軽くなる。
それに黒龍討伐でだいぶ体力を消費してしまった、腹も減っている、私はウッドさんの前の席に座って肉や酒を大量に注文した。
『じゃあウッドさん、飲みますか!』
『そうですね』
この夜、冒険者組合では私は大量の酒を呷り、肉を喰らった、この先凄まじい後悔と苦痛に苛まれることになるということに、この時の私はまだ、気が付いていなかった。
PCが壊れ、バックアップ不足に嘆いた作者のデーターは消えました。
PC破損により更新が遅れました、次回更新はなるべく早くにがんばります。




