『白き少女は時に世界を見下した』~プロローグ2~
目が覚める、体中が少しきしむ、そして後ろの扉を見れば、そこには変わり果てた自分の姿が写っていた、灰色の眼、白すぎる肌、覇気のない表情、そして黒かった髪の毛は真っ白になっていた、そうして寝ている間に崩れてきたのか骨組みの鉄骨が自分の懐に刺さっているのが目に見えた。
――痛くない
私はおもむろに鉄骨を掴むとそのまま体から抜き取り壁に立てかける、腕力も明らかに上がっていた、そうして周囲を見渡すと先ほどまで薬箱の置いてあった台の奥に扉が出現していた、後ろの扉は瓦礫に埋もれている、扉には赤い文字が書かれていた。
――罪は錆びた、穢れは還元される――
扉を開ける、その扉は以前のものより重い、腕力が上昇しているであろう現在で重たいのだ、常人では開けることも叶わないであろう。
扉が開くと目の前には階段が、そして階段を塞ぐように錆びた、2mはある大きな大剣が置いてある、持ち手には山本克実、私の父の名が書かれている、父は重火器専門だ、おそらく学生時代にでも作ったものであろう、そうでなければ趣味で作ったものだ
≪ガチャン≫
剣を抜き取る、父の形見だ、持っていくのは自然であり、私は剣を片手に階段を上がった
≪カツン、カツン≫
乾いた足音が響く、この音を聞くのは今日で3回目だ。
しばらく上がれば目の前には扉が現れる、一切文字のない鉄の扉、私は扉を開いた。
≪ガチャ≫
扉の外には倒壊した自分のマンション、そして先ほどまであった地下室の扉は消え失せていた、大きな錆びた剣と白い髪の毛以外に先ほどまで地下にいたことを証明する手段がないほどあっけなく先ほどの光景は消え失せ、地獄がそこに待っていた。
「カメルヤ、ノメナイア!!!」
外にはすでに占領軍が歩いていた、何を言っているか言葉がわからない、真っ黒な鎧に獣耳、古風な剣、明らかに文明が人間よりも劣っていることが目に見えた
人類は策に負けた、彼らは策で勝った、魔法の火力のみでごり押した彼らは人間の武装者がいないかを巣探し回っているのであろう、もしも人類に軍隊が1中隊でも残っていれば逆転されかねない
異世界の軍人は私のもとへ駆け寄る、殺気立った表情は私のイラつきを増加させた、そして何より、、
「イラ、イラ、フ、メア」
(貴様、貴様は誰だ?)
言葉がわかってしまうのだ、何と言っているか分かってしまう、そして言葉も理解できてしまった、不老不死とは死の否定者、復活蘇生のみではない、理解力から腕力まで、そもそも死なない要素を付与されたのだろう。
『私は、、スノウドロップ』
『!?、なんだ、同胞だったのか、馬車に乗れ、送迎しよう』
私は嘘の名前を言う、決めた、彼らの国へ下って私は地位を上げ、この世界に侵攻してきた国を全部、全部地獄に落としてやろう、そう決めた、金をためて権力を手に入れて、最後は爆撃機で吹き飛ばしてやろうと思ったのだ。
『ああ、すまない、送迎感謝する』
馬車に乗り込む、馬車なんて今の今まで乗ったことはなかった、乗り心地は悪い、これならば車の方が圧倒的にいいだろう、目の前に一人猫耳の女性の兵士が居眠りをしており私の剣は大きすぎるがゆえに扉から少しはみ出していた
しばらくすると馬車の外は焼野原の爆心地、門の前に付く、門を囲む鉄の壁は既に崩れており、数百、いや数千人の兵士は絶えず周囲を巡回していた
御者台の兵士は一度馬車を降り、、馬車の扉を開き私に話しかけてくる、それに合わせて目の前の兵士は慌てて起きた
『ここからは王都、ブロウラに向かう、そこで下すからあとは好きにしてくれ、本当は色々手続きあるんだが、いまは忙しくてな』
『わかりました』
そうして門を馬車はくぐった、馬車の先には憎くも感動してしまう光景が目の前には広がっている、たった1mほどの距離を挟めば、そこにはレンガをメインとした街並みが、中世ヨーロッパのような街が広がり、やがて世界はおとぎの国のようなそれに景色が代わった。
≪ガシャン≫
私は大きな剣に兵士からもらった布をぐるぐる巻きにすると外に出た、外には耳が特徴的な住民がレンガの街を行き来する、馬車は当然のように街を走り、子供は小石で地面に落書きをして遊んでいる、平和的な街に私は、、殺意を抱いた
しかしここで暴れれても何も変わらない、私は歯を食いしばりながら街を進む、何が憎たらしいかといえば、この街をどう進めば何があるかが分かってしまう、薬の効果は異常だ、この世界でどう働けば効率的に金銭を稼げるかも分かってしまっている
――食糧難
これを回避するためであろう、この世界の常識も国柄もわからないのに、食料に関する部分、つまり働く方法だけは分かっているのだ。
この世界には魔物と呼ばれる化け物がいるらしい、それを倒して分解して、羽や鱗を売りさばけば金銭が手に入る、そしてその金銭は食料購入、主にパンと葡萄酒購入をするには十分なほど稼げる、魔物がどこにいるかも大方分かっている。
しかしこの世界には魔物討伐の組合があるらしい、これは馬車で聞いた話だが魔物討伐組合、通称化物組合を通して仕事として魔物を倒せばより多くの金銭を貰うことができ、しかも功績をあげれば社会的信用も得られ、組合トップともなれば王政府にも干渉できるらしい、目的を達成するには十分すぎる仕事場だ。
しかし、組合とはいわば会社だ、恐らくは身元不詳の者を雇い入れてはくれないであろう、よく小説などでは手続きをして~、とか、試験をして~などとあるが、原則として会社が社員を雇い入れるのに最初に見るのは能力ではない、履歴だ、もし組合が犯罪者を雇い入れた場合、組合は【犯罪組織】と呼ばれても仕方がない組織に成り下がる、社会的信用があって初めて仕事は成り立つのだ
つまり私には組合に行くことはできない、もしもその場で不法入国者として捕まれば最悪犯罪者だ、まずは慎重に、社会的信用を得る必要がある。
ならばやるべきことはただ一つ、街を練り歩いて情報を盗み聞きし、なにかおっかない魔物の出現を聞きつけて単騎で倒し、スカウトされるほかあるまい、不老不死になろうと髪の毛が白くなろうと、軍事学を学んでいたといえど、武器の設計をできようと、私はただのJKだ、正直交渉事などできない。
ならば実績を上げるほかない、結果こそ全て、これは万国共通であろう、犯罪者でも凄腕のクラッカーは国で雇われることもあるらしい、つまりそういうことだ。
≪カツカツカツ≫
私は石の道に革靴を鳴らしながら歩く、馬車でもらった白い外套に身を包み、布で巻き付けた大きな剣を片手に持つ姿はガラスに映った自分はおとぎの国の勇者に見える
そして本来の目的を達成すべく、私は中央にある噴水公園の、木下のベンチに腰を掛けた
『そういえば、最近強盗があったらしいぞ』 『うわ~、最近金がねえどうしよう』
『娼館最近潰れてるよな、なんか寂しくなったなこの街も』
『でね、もう最悪、あの怒ったら無理やり私をひんむこうとしてさ~』
『最近警備兵多いよな、物騒で困る』
『聞いてよもう、最近買った化粧、中身全部小麦粉だったの!!』
しかし聞こえてくる会話は私の欲するものは見当たらない、まあ当たり前である、しかしそんな中目の前の武装した男組が少々気になる会話をしていた。
『そういや、最近ヒュドラ討伐対組まれるらしいぞ』
『当たり前だろ、街から延びる道まっすぐ行ったら300mほどにヒュドラが!!、なんて状況放置する方が頭おかしいだろ』
『だよなぁ~、むしろ遅いぐらい、出現3日も商道封鎖になってるとか、王都とは思えねえよ』
街の門から300m、討伐対編成中、被害甚大、これしかないという美味しい話が目の前で湧いてきた、この街には複数門があるのが見受けられたが、封鎖されているという情報がある以上、封鎖している門を抜けて進めば出会える、思わず頬が上がる。
早速立ち上がり私は早速ヒュドラを殺すために歩いた、幸い門までの道のりは噴水公園の近くであり、噴水公園から徒歩3分の距離にあった。
門とはいっても質素なものである、鉄の扉は高さ12mほどあり凄まじい光景ではあるが見栄を張って作ったのであろう、実際は木の柵を置いてあり警備兵が見張っている、それもそのはず、あんなもの開閉するなど労力がかかりすぎる、戦時中でもないとおいそれと動かせまい。
『お嬢さん、この先はヒュドラの出現が確認されてる、あまりこの先に行かない方がいいぞ』
警備兵は私を引き留めると、少し不安げな表情で話しかけてくる、ヒュドラがいるのは分かっているのだ、ゲームでも現実でも知っていることで足止めを喰らうのは気分が悪い
『大丈夫です、そこまで行きません』
『そうか、気を付けて』
私は門を出た、兵士から外出証明書を貰い、それをポケットに入れると草原に踏み均された道、青い空に白い雲以外何も見えない大自然に足を踏み入れた、こんな光景は私の世界ではそうそう見ることはできない、田舎の光景ですらここまで開けた形式はないであろうという道であった。
林には、、、小鬼らしき化け物がちらほら見える、しかし小鬼は私を見るやこそこそ逃げては顔を出す、臆病な性格らしい、まあ街付近で放置されているのだ、こんなものであろう。
しかし300mとは長いものだ、舗装されていない道など歩いたことがないが故、疲れこそ来ないが足への負担は歩いている距離の倍程度に感じる、大昔の人はこんな道を歩いて日本一周して地図を書いたものもいるらしい、もはや猛者であると初めて実感した。
しかし距離はたかが300m、少しすればヒュドラらしき化け物は道の真ん中に居座っていた
≪キゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア≫
金属をこすり合わせたような叫びはヒュドラを中心に草をそり返させながら鳴り響いた、ヒュドラの容姿は、大きな蛇、であろう、真っ赤な蛇のような体に折れた羽、体はズタボロでところどころ血が出ている、大きな口には火をまとい、真っ赤な目には黒い光が宿っている。
「ああ、そういうことか、怪我して動けないのかこれ」
私は剣の布を取ってずるずる引きずりながらヒュドラに近づく、ヒュドラはその場からは動かないものの長い首をこちらに近づけてくる、蜷局を巻いていたからわからなかったが大きさは幅は3mほど、長さは10mほどはあるだろう
≪ギュ、キュアアアアアアアアアアアアアアアア≫
そしてヒュドラと私との距離が残り数mになった瞬間、ヒュドラの口からは炎が漏れ出し周囲一帯を焼き尽くした、私の体は一瞬で燃え尽き、灰から復活した、服はないので裸だ。
「うっわ、恥ずかしい!!!」
当たり前ではあるが、服は復活しない、熱くなった剣は私の手を焦がし、裸になった私の体は寒くて仕方がない、ヒュドラは復活した私を見るや首を少し引いて焦りを見せた。
「嗚呼、さて、首を跳ねるか」
私はズルズルとヒュドラに近づく、ヒュドラはその後何度も火を噴くが復活までには1秒かからず私の歩みは止まらない。
遂には私はヒュドラが下がれないところまで詰め寄り、ゆっくりと剣を上にあげた、晴天の空の下だというのにさび付いた剣は光を一切反射しない。
正直恐ろしかった、ヒュドラがではない、自分がである、火を浴びた瞬間、私は恐怖を覚えなかった、痛みもなく、そして目の前で覚えるヒュドラを殺すことに躊躇もなかった、薬の影響であろう、薬は私の心さへも捻じ曲げた。
「まあいいや」
≪グシャ≫
錆びた剣はヒュドラの首を潰し切った、音は剣で切ったというより、すりつぶしたような音であり、断面は綺麗とは言い難い、幸い潰れるように切れたためか首からは血が噴き出すことなく滝のように地面を流れていった
「?」
ヒュドラの死骸の隙間から人の死骸が見えた、真っ白なインバネスコートに黒い少し軍服チックな上下の服、流石に下着は、、、着られなさそうだ、最近死んだ者らしく腐敗臭はしなかった。
早速着込んでみる、かなり死骸の服を着るのは抵抗があったが、全裸よりよほどましであろう、いざ来てみると少々ハイカラな感じ、古き良き感じであり動きやすさはまあまあ良い。
ところで、世の中にはフグを捌ける人間は何人いたであろうか、少なくとも過半数は下回っているであろう、なぜなら捌く機会がないからである
では、ヒュドラを捌くことは私にできるであろうか、このヒュドラ、鱗や骨は金になるらしい、しかし私に解体する技術などなかった
「うわ、おっも、これじゃ無理、持てない」
渋々ヒュドラごと持っていこうとするが、流石に持ち上がらなかった、しかも死後硬直が始まっており、半分に切るには蜷局を巻いており、恐らくはもう分解もできないであろう、惜しいことをしたと後悔する
私は渋々片手で薄汚れたヒュドラの首を持ち、そのまま街へ帰る、仕方があるまい、どちらにせよとも討伐した事実だけで恐らく金は入るであろう、そう思い少し涙目になりながら私はあきらめた、その瞬間である。
〖キサマヲコロス〗
「!?」
私が背を向け数歩歩いたとき胴体のみになったヒュドラはその体を起こし、首の断面から再度火を放ち始める、禍々しくも美しい、死を前にして凛と立ちふさがる姿は圧巻である。
〖アア、ワレ、ナゼ、シヌ、コノ〗
ヒュドラの声が理解できる、私は剣を構えてヒュドラにとびかかる、すでに頭のないヒュドラの炎は明後日の方向に飛んでいき、私の剣はあっけなくヒュドラの腹部に突き刺さる、もはや血すらもないようで、刺さった腹部からは血が少し出るだけでほぼ出なかった。
≪ブォア≫
突如私の手元に木簡が現れる、木の板には何やら文字が書いてあった
【ベネフィットスキル・業火の蛇】
「業火の蛇?」
≪ブォ≫
私が木簡の文章を読み上げた瞬間私の剣に炎が取り巻いた、炎は渦巻き状に剣にまとわりついて、手には熱さを感じられる
恐らくだが倒した魔物の特徴を魔法のようなものとして使用できるのであろう、ここは魔法の世界、このようなことで驚いていては今後生活できないであろう。
「う~ん、まあ今後使えるのかな?」
私はもう一度ヒュドラの首を持つと、ようやく街へと帰投した、門を出たときは太陽が真上にあったのだが、今では日は少し傾き空は茜色に染まっている、時間が立っていることに私はようやく気が付いた。
――王都西門
私はヒュドラの首を片手に街へ戻った、門の前には出たときとは違う兵士が5人ほど見張りをしており、木製のバリケードとは別に、高さ4mほどのフェンスも用意してあった、夜中はあれで封鎖するのであろう、バカでかい鉄の門は意味をなしていない。
『とまれ!!、外出証明書をみ、、、あ、え、うわああああああ!?』
兵士の一人は私を止めようと小走りで走ってきて、私に外出照明か入都証明の提出を求めてきた、しかし兵士はヒュドラの首を見るや腰を抜かし、その場に座り込んでしまった。
『ああ、外出証明書、これですね』
『ひゅ、ヒュドラですか!?、え、討伐は明日と聞きましたが』
『ああ、いえ、皆さん困っているようなので、私が独断で倒しましたが』
周囲の兵士は私を取り囲む、訝しげにヒュドラの首を何度か眺めた後、顔を白くしながら私のことを眺め、その後に兵士はなにやら集まってひそひそと話を始めた。
『おいおい、まじかよ、やばくねえか』
『と、とりあえず組合連れてくぞ』
兵士の話は丸聞こえ、これは薬の影響による聴覚上昇の影響ではない、普通に聞こえる、しかし組合に連れて行ってくれるのは好都合であった、就職決定になるかもしれない。
『とりあえず、それもって組合行きましょう、報酬貰えますよ』
『あ、案内お願いします』
街を歩く、ヒュドラの首を持つ私はやけに目立ってしまい、門をくぐり噴水公園まで行けば周囲の住民はぞっとした目で私を眺めている、よほど異常な光景なのであろう、中には私の姿をスケッチするものまで現れた。
そしてそんな目立つ私に気を使ってか、案内の兵士は私に話しかけてきた
『これお一人で倒したのですか?』
『そうですが』
兵士は苦笑いを浮かべた後に下を向く、この反応を見るにヒュドラとは相当恐れられている物なのであろう、冷や汗を流した兵士の目は泳ぎに泳いで今にも飛び出しそうだ。
そうして夜道を歩くこと10分、目の前には大きな木勢の宿のような建物に着いた、建物の窓からは明かりが漏れ出し、酒臭い熱気と騒がしさは静かな夜と分離している。
私は兵士に頭を下げると組合のドアを開けた、ドアは軋む様に音を立てながら開く、そしてドアの向こうには武装した男たちが酒を飲んだり肉を喰らったりしてほぼ宴会状態で騒いでいた
しかし、私がドアを開けた瞬間熱気は冷気に変わり、騒がしさはざわつきに変わる、ドアのあく音に気が付き振り向いた先にはヒュドラの首を片手に持つ少女の姿があるのだ、これに目がいかない者はいな
≪カツ、カツ≫
私はそれらを無視して組合に入った、組合内には多数の木製のテーブルや椅子が置いてあり、無造作に置かれたそれらに組合の人間は各自座っている、ドアからまっすぐ30mほど先にはカウンターがあり、私はそこに向かい一直線にゆっくり歩いて行った。
カウンターには怯えた表情の娘が赤いバンダナを巻いて立ち尽くしていた、私はそんな娘にゆっくりとヒュドラの首を渡す、彼女はおびえた表情を終始変えず、私のことを化け物でも見るかのような目で見ていた、正直なところ今すぐその首を叩き切りたくなったけれど、流石にそれはやめておくことにする。
『すいません、夜分遅くに、このたびヒュドラを討伐したので、討伐結果を献上に」
『ひ、そ、そうですか、一般討伐者ですね、報酬交渉があるので、奥へどうぞ』
私は受付の娘に言われるがままに受付の奥に入り、進んでいく、受付の奥は腐敗臭がほのかにする、恐らく魔物の素材が置かれているためだ、整理さえているが小汚い通路を少し進み、私は一番奥の部屋に入る。
≪ガチャ≫
部屋は綺麗である、左壁には綺麗な剣が飾られており、右には綺麗なティーセットの入った棚が置かれている、部屋中央にはソファーが向かい合わせに置いてあり、部屋の奥には大きな窓を背にした仕事用の机が置かれている、一見すると学校の校長室を思い出すものであった。
『やあ、えっと、君がヒュドラを一人で倒したという、兵士から聞いたが、君ほどの小柄な女性が、、、まあいい、報酬を渡したいのだ、交渉しよう』
白いひげを蓄え、老いながらに筋肉質な男は奥の席から立ち上がるとソファーに座りこちらに手招きをする、服装は貴族のようで、耳には犬耳が、いい年したおっさんが犬耳というと吐き気がするが、実際見ると案外しっくりくる。
私は手招きされるがままソファーに腰を下ろし、ヒュドラの首を手前の机に置き、剣を地面に置くと足を組んで老人をにらみつけた、舐められてはたまらない、私はまだ雇われてはいないし、まして呼ばれた身であり頼む身ではないからだ
『では、報酬について話し合いましょう』
そうして私のこの世界で初めてのささやかな復讐劇が幕開く。
これでプロローグは終了となります、次回はほぼ出来上がっていますので修正次第投稿します。
初投稿で少々戸惑う部分もありましたが楽しんでいただけると私もうれしいです!




