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3.神面都市の政治体制について

3.政治体制

 この都市の統治方針を定めたり、あらたな法律を立法するのが評議会である。評議会は各地区から選出された十五人の評議員が運営しており、中心となる評議長は、評議員が月毎に持ち回りで担当する。任期は三年。

 宗教都市になる以前、山奥の寒村だった頃から住んでいる者の血族、一定以上の租税額を納めてる新たな定住者、各神殿の高位の者だけが立候補することができる。投票は前記に加えて各神殿の位階のある信徒なら誰でも投票できる。


 ヴェルナの軍警察、法廷、アナリンラの外交儀典、サウレソラルの徴収吏、国庫会計、史官、ルスタファの傭兵斡旋組合、イオリンラの神殿による公娼、ゴルディアスの税関検疫など、実際の行政にあたるのは各神殿の信徒達である。殆どの宗教の本山が存在している為、来客に欠くことがない、この都市に住居を構え定住するには法外な税金がかかるが、なんらかの神殿の位階のある信徒になれば、簡単に定住できるので、なんらかの事情で国を追われた者が永世中立であることを利用して居着くことも多い。


 各神殿にいる高司祭の数も評議員と同じく概ね十五人である。

 概ねというのは、司法の神を長とする原理の神々の神殿には、きっかり十五人いるが、対になる激情の神々の神殿では下まわる事が多い。彼らの信仰者の大半が流浪の旅芸人などだからである。

 唯一上回るが幸運の神である。傭兵や盗掘者、はては暗殺者などにも信仰される神である。表向きの高司祭だけでも平時は十五人を越えるが、近隣で大きい戦があった時は、その限りではなく、大半は戦死して帰ってこないという。やはり激情の神の高司祭は十五人を下まわる運命なのである。

 この十五という数、信仰の戒律からなどではなく、昔、この都市が周辺の国々と国境争いを演じていた時代に、全ての宗教を従えたという独裁者がいた。彼が、頭、左右両目、口の4つの地区にバランスよく3人の高司祭を配置した支配形態の名残である。つまり慣習からきている数である。


各教団の組織構成

 基本的に人数に差はあれど、大きい教団も、小さな教団も、地下にいる邪悪な教団も、みんな同じ組織構成です。

 どの教団も次の三つの序列があり、各階級名称のあとに副長、長がつけば、その階級内で、一つ二つ上とみなされる。高司祭長でも複数人いる場合が多い。それは教義上、神が(我々の世界とは違い存在しているという認識なので)教団内で最高位についているからである。宗派によっては活き神として認定された者、または、実際に神そのものが最高指導者として活動している。

 あくまでも教団内の序列なので教団外からは、法的には例え最高位の高司祭長や、自称神であっても一般市民より一つ上の階級程度であるが、儀礼上、それ相応の扱いを受ける。


修道士

 入信試験を経て入道すると成人として扱われる。自分の所属する神殿で生活することになりあらゆる租税を免除され、評議員選の投票権を得る。自分が担当した仕事で得た報酬の2~3割を神殿へ納めなければならない。階級章には横線一本


神官

 任官して半年後に教団内の人事投票権を得る。また、評議員選における1票の扱いは、100票として扱われ、副神官長は300票、神官長は500票として計測される。教団によっては、上の階級にいくほど殉職率が上がるためである。神殿に対する寄付の義務はない。

 階級章には横線が二本、神官長には二本線の上に神殿(階段二段の上に神殿)が刺繍される。


高司祭

 ビショップと呼ばれる。各教団ごとに十五人しかいないはずだが、事情によっては増減する。評議員選における1票の扱いは1000票、副高司祭長は1500票、高司祭長は3000票として計測される。

 神殿にたいする寄付などの義務はないが、この階級までくると、前線の指揮官として毎日の激務に身を捧げているか、己の教団内の地位や、都市内での地位を高める為に多額の寄付をしている者が殆どである。階級章には横線が三本、司祭長には三本線の上に神殿(階段三段の上に神殿、階段の段数は、今の地位に至るまで、それだけ長い修練を積んできたと解釈される)が刺繍される。


奉仕人

 ボランティア、上記三階級に私的に仕える無位階無報酬無権限の信徒。社会的保障がある者は少ない。流れ者などが多く、大抵、神殿外に寝泊りしており、文字通り神殿外で野宿している者も多い。

 また、神殿敷地内にある信徒専用の宿泊施設や、ある程度の位階に達した信者に与えられる個室などに、妾や奴隷として同居している場合もある。

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