前へ目次 次へ 2/18 プロローグ 古びた本。表は血のように紅く、裏は毒のように黒い。 紅き面より読めば沈黙を守り、黒き面より読めば多くを語る。 共にいることも許されず、互いを拒絶しあう対なる魂。 対なる力は対なる力を無にする。 もし、両名の血を引く者がいればその者は生受けしときより呪いを受けよう。 ――相殺する両名の血は確実なる不幸を約束する。 常に影は笑っている。 「決してその姿を現さず――幼子の眠りが続くまで世界の均衡を約束しよう」と。 ――支配者による運命の書 黒――