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ピンクの星屑

作者:石川安泰
最終エピソード掲載日:2026/02/01
 昭和の終わり。二十歳になる前の僕は、訳ありの過去を抱えたままグランドキャバレーで働き始める。マネージャーは何も問わず、僕は先輩ボーイの木村、照明音響担当の大橋と親しくなっていく。
 ホステスがボーイを呼ぶ合図は、テーブルライトをピンクに変えること。明滅する光は、夜の店内に星屑のように散っていた。
 ホステスと私的に関わってはならないという不文律のなかで、僕は水音さんと近しくなる。ジャズを聴きに行き、彼女は僕の部屋に泊まって帰る。水音さんは自分のことを語らず、僕の過去も問わない。僕はすべてを芝居の中の出来事だと割り切ろうとしていた。
 やがて木村は店を辞め、ホステスを連れて実家へ戻ることになる。大橋と三人で飲んだ夜、彼の口から妻が出て行ったことを知らされ、僕の記憶は自死した母へと引き戻される。   
 そして、水音さんはある日突然、キャバレーから姿を消す――。
ピンクの星屑
2026/02/01 10:28
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