【46話】陽菜の答え
包み隠さず本音をぶちまけた俺は、おそるおそるといった感じで陽菜を見やる。
もし陽菜が、俺とは違う気持ちだったら。
そう考えると少し、怖かった。
「陽菜は……どうなんだ?」
「そんなの……私だってそうよ! 正樹と仲直りしたい!!」
でも、陽菜は力強く同意してくれた。
まっすぐで強いその言葉を聞けて、俺は大きく安心する。
感じていた不安が、一気に吹き飛んだ。
「むしろ私はそれ以上の!」
勢いよく一歩踏みこんできた陽菜は、広げた手のひらを自分の胸にグッと押し当てる。
けれども、
「……」
言葉はそこで止まってしまった。
「……どうした?」
「ううん、こっちはまだいいわ」
どこか嬉しそうに言った陽菜は、口元に小さな笑みを浮かべる。
「他の相手を全員蹴散らしてからにするわ。それにこういうのは、正樹の方から言わせたいもの」
「蹴散らすって……なんだよそれ。物騒だな」
不穏な発言の真意はまったくもって不明だが、それでも俺は笑顔だった。
だって、陽菜と仲直りできたのだから。
二度と戻ることがないと思っていた関係が、こうしてまた元通りになったのだから。
こんなに嬉しいことはない。
つい嬉し泣きしそうになってしまうが、俺は必死になって我慢する。
カッコ悪いところを、こいつに見せる訳にはいかないからな。
「ねえ正樹。私これから、行きたいところがあるのよ」
「待て。答えを当ててやる。ずばり、近くのお菓子屋さんだろ?」
ピンと指を立てた俺は、得意な顔で答えてみせた。
どうだ? 、と自信満々に聞いてみる。
陽菜は意外そうに、両目をパチパチとまばたきした。
「正解よ。……でも、よく分かったわね」
「お前はあそこのシュークリームが大好きだからな。ここまで来たら絶対に行くと思ってたんだ」
「……ずっと覚えていてくれたのね」
両腕を広げた陽菜が、正面から抱きついてきた。
俺の胸にすっぽりと顔を埋める。
「なにしてんだよ!? 離れろって! めっちゃ見られてるぞ!」
真っ昼間のデパートでこんなことをしているのだから、当然のように周囲の注目を集めてしまう。
こっちを見てくる人たちはみんな口元をニヤつかせているし、中には「昼からお熱いねえ!」なんて、はやし立ててくるような人までいた。
しかし陽菜は、離れようとはしない。
それどころか、俺の背中に回している両腕の力をさらに強めてくる始末だ。
恥ずかしくて恥ずかしくて、俺はもうどうしようもない。
顔が真っ赤になってしまう。
「頼むから離れてくれ。マジで恥ずかしいから!」
「嫌よ。レースゲームで散々に私のプライドを砕いた罰だわ。諦めて観念しなさい」
胸元から聞こえてくる陽菜の声は弾んでいて、とても楽しそうだ。
ゲームの恨みを、まさかこんな形で返してくるなんて思わなかった。
俺の幼馴染は、やっぱりおっかない。
★★★作者のあとがき★★★
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