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【完結】白面に微笑む令嬢探偵 ~椿子の記憶録と沈黙の三事件~ 第二章『沈黙の講義室』  作者: ましろゆきな


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第五話:改ざんの背景(資料室管理者・大学関係者の視点)

 帝都大学・美術資料室。 管理者・三輪は、仮面の台帳に違和感を覚えていた。 筆跡が自分のものではない。 しかも、記録の改訂日付が“存在しない講義日”になっていた。


「これは、誰かが“講義があったことにして”記録を書き換えた痕跡だ。 だが、なぜ久我原透の名前が記されている?」


 三輪は、大学の資料保全課に報告した。 応対したのは、文学部副主任・佐伯。


 佐伯は、久我原宗一の名を聞いた途端、表情を曇らせた。


「久我原宗一氏は、戦前に“仮面の記憶”と呼ばれる未公開資料を残しました。 だが、その記録は大学の名誉を傷つける可能性があるとして、封印されたのです。」


 三輪は、椿子の講義で紹介された“無銘の白面”が、その資料に関係していると察した。


「誰かが、封印された記憶を語ろうとしている。 そして、誰かがそれを止めようとしている。」


 佐伯は、低く呟いた。


「沈黙は、大学が守ってきた“秩序”でもある。 それを語る者は、秩序の外に立つ覚悟が必要だ。」

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